META−日本画のワイルドカード
会期: 2019年02月20日(水)~2019年03月03日(日)
展示室 | 第1展示室,第2展示室,第3展示室,第4展示室,第5展示室 |
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時間 | 10:00~18:00 ※最終日は15:00まで |
入場料 | 入場料:無料 |
神奈川県民ホールギャラリーの「META – 日本画のワイルドカード」【2019年02月20日 ~ 2019年03月03日】を見てきました。
神奈川県民ホールはコンサートや演劇をやる会場ですが、一階と地下には展示場があります。
かなり巨大な空間で、大きな絵を展示するなら横浜美術館などより向いてるかもしれません。
「ワイルドカード」とはカードゲームの用語で、他のどんなカードにも代用できるカードのことです。
伝統的なイメージのある日本画ですが、太田市美術館・図書館や横浜美術館の展示で見れるように、明治以降の日本画は洋画に居場所を奪われたために前衛化しており、現代においては相当自由になっています。
何といっても目を惹くのは会場中央に据えられた球体です。
日本画と洋画の違いは画材の違いに過ぎず、この作品は樹皮膠を使っています。
とはいえ支持材はビニールだし、光沢はアルミ箔なので、これを日本画というのは違和感を感じます。
拡大してみたところ。表面だけでなく、中も結晶のようなものがびっしり入っています。
下にもぐって中から作品を見ることもできます。
太田市美術館・図書館や多摩大学美術館で見たように、市川氏の作品は毎回支持体が大きく変わり、驚かされますが、中に入れる作品は初めてでした。
今回の出品者で最も見る機会の多いのが金子氏でしょう。
2018年の東京アートフェアでも巨大な作品で存在感を示していました。
岩絵の具以外にも箔やアクリルなどを多用して描かれた異形の神は全て表情が違っています。
恐ろしげな表情に加えて極端にねじ曲がってもはやどうなってるのかもわからない身体の描写も特徴的です。
恐ろしい絵でありながら、極端な表情やド派手な色使いがどこかユーモラスに感じる作品でもあります。
こちらは先ほどの作品に比べると大人しい印象ですが、やはり大げさな表情やポーズが楽しい作品です。
岡村桂三郎を思わせる分厚いパネルに描かれた作品。
屏風状の作品を円形に立てています。
内側はこんな感じです。
光を反射させて外側に赤色が漏れるようにしてあります。
製作後日が浅いのか中は塗料のにおいが充満しています。
この作者は抽象画が無限に空間を広げることができることに関心があるらしく、作品の形状もそれを思わせるものが多かったです。
やはり非常に大きな作品です。
横長の作品は物語があるようにも感じますが、どんなストーリーなのかは判然としません。
全体を通してターゲットのようなものが大量に描かれており、右のほうではリンゴの的に矢が刺さっています。
また背景には線香の煙が天まで上っています。
左のほうではこの同じマークが台風の目のように描かれています。
背景には株価レーダーのようなものも描かれており、色んなストーリーを感じさせます。
無料の展示にも拘らず、巨大な見ごたえのある作品が多く、かなり得した気分になれます。
知らない作家も多く、色々収穫がありました。★★
会期: 2019年02月20日(水)~2019年03月03日(日)
展示室 | 第1展示室,第2展示室,第3展示室,第4展示室,第5展示室 |
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時間 | 10:00~18:00 ※最終日は15:00まで |
入場料 | 入場料:無料 |