• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★世界は奇妙だ「佐藤 健寿 WUNDER II」

エプサイトギャラリー(丸の内)の「佐藤健寿WUNDER II」【2019年5月30日(木)~6月27日(木)】を見てきました。

 

佐藤氏は写真家というより探検家に近く、撮影の対象は廃墟、奇祭、北朝鮮など。

奇妙なものならなんでも撮るといった感じで、そういったものを通して世界を解き明かしたい、という考えがあるようです。

 

小さい会場で、また過去作も含めての展示のようですが、バリエーション豊かで佐藤氏の仕事を俯瞰するにはいい構成でした。

中国、内モンゴル

撮影場所はモンゴルとのことですが、ロシア風の宮殿に、マンモスの巨大像という取り合わせが奇妙です。よく見ると宮殿の足元にカラフルなタイヤが並んでいるのも妙。背景の原っぱ具合はモンゴルっぽいですが・・・

極端に緑化が進んだ家が並んでいます。

壁面全面を覆うのは分かりますが、屋根も、地面も同じ植物が覆っているように見えるのが面白いです。

奇祭関係はかなり惹かれるものがありました。

ただ写真の詳しい説明はないので、そこは著書を読むしかないようです。

 

北朝鮮の驚きの近代都市。あまり住みたいとは思いませんが・・・

北朝鮮にも建築家や都市計画家はいるのでしょうか?あまりセンスがあるとは言えませんが、そのうちゴシックリバイバルということで流行るかも?

韓国、安山

受付の後ろに置かれたタペストリー。韓国のスラム街?

会場の一角に置かれたお土産コーナー。金ぴかの中国の人工衛星がインパクト大。

写真以上に惹かれたのが会場で流れていた動画作品です。

これも佐藤氏の仕事を俯瞰するもので、軍艦島など会場内の写真と重なるシーンも。

 

一番気になったのがこちら。圧倒的存在感の謎のランドマークタワー。

宇宙関係も心惹かれます。

そのスケール感に圧倒されます。

 

映像の所々には佐藤氏のシンプルだが味わい深い?コメントも。

 

マニアックな写真ながら建築、宇宙、民俗学など幅広い網羅性で色んな人が楽しめる展覧会でした。★★

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