21_21 DESIGN SIGHTの「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」【2019年11月22日(金)→ 2020年5月10日(日)】を見てきました。
日本デザインコミッティーという組織に所属する芸術家、建築家、評論家、デザイナーなどの仕事術を紹介する展覧会です。
展示の冒頭には過去のものも含めて歴代のメンバーが紹介されていました。
全会一致が参加の条件というだけあって、よく知らない人もいましたが、長命な人が多かったです。
同業者から見ても質の高い仕事をしていることが条件になっているようです。
この組織の仕事の一つとして1953年から続く銀座松屋のギャラリーの運営があり、歴代展覧会のポスターとDMが紹介されていました。
特にDMは非常に面白いものが多かったです。
絵の面に推薦文も一緒にのせてデザインしているのも楽しいです。
紹介するメンバーの数が多いせいか、今回の会場はいつもの自由さはなく、ショーケースをきっちり並べてほぼ面積を等分に分けていました。
しかしその一方で反響はいつもの展覧会より大きく、大変混雑して見にくかったです。
壁面には各デザイナーの作品が大写しでエンドレスで流れます。
写真はメルカリのロゴをデザインした田川欣哉さん。
冒頭で紹介されていたのが芸術家、造形家の伊藤隆道さん。
箱根の彫刻の森美術館などで見られる、電動でグルグル回るステンレスの彫刻で有名な人です。
正直野外美術館ではそれほど目を惹く人ではなかったのですが、これだけ並んでいると圧巻です。
スケールモデルも多く展示されていました。
実際に回して照明などの効果を検証したようです。
展示を新作の高輪ゲートウェイ駅に絞ってきたのが隈研吾さん。
屋根の形状の検討用のモデルが大量に並んでいました。
それぞれ展示自体にも個性が出ています。
ちなみに他にも何人か建築家が展示していましたが、隈さんほどの現実味があるプロジェクトは少なかったです。
デザイナーで面白かったのが深澤直人さん。
ミニマムなデザインは物足りないことも多いのですが、展示までシンプルなのは徹底しています。
紹介されているのを初めて見たのが黒川雅之さん。
黒川紀章さんの弟ですが、兄弟仲は悪かった(というか雅之さんが被害者)といいます。
しかし処女作だという円形の住宅や・・・
家具を間仕切りとして使うアイデアは紀章さんに似ているような・・・
今回の展示では普段紹介されない黒子的な人もスポットが当たっているのが面白いところです。
蛇口など工業パーツを大量に展示したのは川上元美さん。が、同じ人が橋のデザインもしているのはやはり一流ゆえの応用力でしょうか?
展示空間のデザインを中心に仕事を行う田中俊之さん。
もうなくなってしまいましたがアドミュージアムの旧展示は面白かったです。
良くも悪くもよく目立つ夜の東京国際フォーラムの照明を計画したのが面出薫さん。他にも建築照明の仕事を多くされているようで、膨大な資料が展示されていました。
展示の最後には今回紹介されたメンバーの著書も読めます。
会場に来てる人は勉強のための学生が多かったようですが、一般の人が楽しめる工夫も多かったです。★★★