• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

黒川紀章ベスト10

黒川紀章氏の建築デザインはその環境に合わせて理論を変えてくるため振り幅が激しく、安定しないイメージがあります。

しかしそれぞれの建築をキーワードで語ることにより、一定のメッセージを読み解くことができます。

10位.広島市現代美術館

埼玉県立近代美術館、名古屋市美術館などと並んで、黒川氏の国内美術館建築の代表作。黒川氏の美術館設計は日本の伝統を記号化したディテールや、芸術作品と建物が融合していることが特徴です。

 

9位.ゴッホ美術館新館

リートフェルト設計の四角い本館に対し、丸い新館を並べています。

円を多用しながら真円を微妙に避けています。

これは矛盾をそのまま受け入れたり、完璧をあえて崩すことが日本の伝統的デザインだからだそうです。

 

8位.福井県立恐竜博物館

外観は巨大な恐竜の卵、中の巨大エレベーターと階段は首長流の背骨に見立てられます。

しかし黒川氏自身は博物館の要求に沿うと自然とこの形になったとのこと。

氏の博物館設計はデザインと教育的配慮が高度に融合しているのが特徴です。

 

7位.カプセル・イン大阪

中銀カプセルタワービルから着想を得たオーナーが黒川氏に依頼した世界初のカプセルホテル。

黒川氏デザインのカプセルとその後継のカプセルが両方使われており、デザインが比較できます。

 

6位.愛媛県立総合科学館

円錐、四角、楕円と素材も形も異なる巨大な幾何学立体がランダムに並ぶさまは、典型的なポストモダン建築

しかし面白いだけでなく、この形状は展示と動線に十二分に生かされているのが黒川氏の真骨頂。

 

5位.国立新美術館

フロアの間に巨大な設備階を設けたスーパードミノの実践例。

機能としては収蔵品のない巨大な貸しギャラリーに過ぎないが、その独特なファザードが様々な芸術家にインスピレーションをもたらしています。

六本木ヒルズのスカイビューから見下ろしても素晴らしい。

 

4位.福岡銀行本店

黒川氏の理論である「道の建築」の最高傑作。

道の賑わいを提唱する建築家は数多いですが、ここまで成功した例は他には原広司氏の京都駅ぐらいでしょうか。

 

3位.国立民俗学博物館

実はメタボリズムの傑作。

ロの字型のユニットを無限に繋げて、収蔵品の増加に伴いどこまでも拡大できる設計。

展示、収蔵、研究をスムーズに行える工夫がされているのも特徴です。

 

2位.クアラルンプール国際空港

海外でのここまで巨大な日本人建築家の設計も珍しいです。

これも空港をいくらでも拡張できるユニットが用いられているとともに、空港ができる前の状態を再現した巨大植物園があり、黒川氏の主要理論「共生の思想」も高度に実践されています。

 

1位.中銀カプセルタワービル

世界中の人が見学に来るという、唯一無二のメタボリズム建築の完全な実践例。

理論だけでなくカプセルの配置などセンスも光ります。

コメント一覧

建築図鑑75★★「大阪国際会議場」 – 博司のナンコレ美術体験2019年1月16日 8:58 AM / 返信

[…] 設計は黒川紀章氏。 […]


★建築図鑑86 安藤氏過渡期の作品「大阪府立狭山池博物館」 – 博司のナンコレ美術体験2019年1月27日 10:51 PM / 返信

[…] 同時にこの狭山池は以前さやま遊園という遊園地があったこともあり、市民憩いの公園でもあるので、その整備も並行して行われることとなりました。 外観は安藤氏の建築の中では非常に異色です。 黒川紀章氏でもここまでしないだろうと思われるほどのそっけない箱で、もはや博物館に見えず、データセンターか何かのようです。 博物館へは公園の外からでも中からでもアクセス可能です。 ただしどちらから入ってもこの水盆や滝を横切って回り込む必要があることは変わりません。 水を堰き止める堤体がメイン展示なので、この箱型も堤をイメージしているのでしょうか? そう考えると手前に水が張ってあるのも納得がいきます。 階段を降り、さきほどの水盆の真下に入り、滝を見ながら博物館に至ります。 博物館内は全く水気はないですが、そのテーマを強く意識させられるアプローチです。 安藤氏の中期以降に頻出する円形スロープと展望台の組み合わせ。 堤は地下1階、地上2階の3層ぶち抜きでそのまま展示。 地下部分には樋も展示されています。 展示はこれ以外にも土木関係の資料が充実しています。 関連する書籍を集めた図書室も付属します。 展示室の最奥には建築の解説コーナーも。 […]

★★★建築図鑑87 子どもが元気になる博物館「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」 – 博司のナンコレ美術体験2019年1月28日 11:39 PM / 返信

[…] ショートカットは黒川紀章氏が国立民族学博物館で実施済みですが、あちらはあくまで直線の建築。こちらは老若男女が自由にカスタマイズできるより有機的な建築になっています。 […]

★建築図鑑88 巨大カプセル「ビッグボックス」 – 博司のナンコレ美術体験2019年1月29日 7:05 AM / 返信

[…] 東京都新宿区のビッグボックスに行ってきました。 設計は黒川紀章氏。 高田馬場駅前にある商業施設です。 […]





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