2018年6月19日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

「大地」から切り離された芸術祭「ShinQs芸術祭」

渋谷ヒカリエで開催中のShinQs芸術祭(2017年11月16日(木)~29日(水))を見てきました。

ヒカリエは8階のギャラリースペースでこれまでも「大地の芸術祭」の他にも「奥能登芸術祭」のサテライト展示やトークを行い、地方の芸術祭の情報発信の場として活用されてきました。

 

その「大地の芸術祭」ですが、新潟県の十日町市などかなり広域で行われる芸術祭で、現在数多く開催されている芸術祭の中でも最古参組。規模も国内最大で、廃校や廃屋を一棟まるごと使い倒した非常に見ごたえのある作品がゴロゴロしているのが特徴です。

クリスチャン・ボルタンスキー「最後の教室」

今回の展示ではその大地の芸術祭の人気作品をヒカリエの各所に展示しようというもの。さらに本物の芸術祭さながらにスタンプラリーも行うという新しい試みです。

2階エントランスに展示されているのは本来「絵本と木の実の美術館」に展示されている田島征三さんの作品。塔のようにも胞子のようにも見える不思議な作品です。21_21でも現在田島さんの作品が展示されています。非常に求心力のある、エントランスにふさわしい作品が多いです。

田島さんの作品は1階にもありますが・・・

 

絵本と木の実の美術館で空間を埋め尽くしているからインパクトがありますが、こうして一点のみ展示されても「?」な感じです。ほとんどの人が素通りしてましたし。

ダダン・クリスタント「カクラ・クルクル・アット・ツマリ」

今回の展示はそういったものが多く、場所から切り離されて、仮置きされているかのごとく見えてしまう作品が多かったです。

大岩オスカール「かかしプロジェクト」

こちらは本来棚田に立つかかしを11Fスカイロビーに展示してます。ここまでくるとかなりシュールです。

ただこの作品は2000年の第一回芸術祭に作られた作品で、一体一体に実在のモデルがいます。それから18年経っているので、大きくなったり、亡くなったりしている人も多いと思います。棚田ではできないほど間近で見ることができたのは収穫でした。

開発好明「モグラTV」

と、いうわけで今回のMVPはこのモグラ君に差し上げたい。

 

本来作家自身が芸術祭期間中、穴の中にラジオ局を作って芸術祭の情報を流したり、色んな作家と対談を行うという作品なのですが、穴もなければ作家もいない。このいい加減さが逆にグっときました。

爪はおそらく発泡スチロール製。使用感を強く感じるのは穴の中で使っているうちに汚れてしまったのでしょうか?くたびれ具合がいい感じです。

 

僕は「大地の芸術祭」は非常に高く評価しているので、これで芸術祭の魅力が伝わるのか、一抹の不安を感じる展示でした。

 

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