➀1999年のに続いて、村田真さんの「アートのみかた」に沿って、過去の展覧会を振り返ってきたいと思います。
ミヅマアートギャラリーの「会田誠 男の酒ーミレニアムー」巨大な肛門から入り、ゲロの滑り台から出ると、出口側は会田自身の口になっている。森美術館の個展でもこんな作品はありませんでしたが、また展示してほしいです。
オペラシティギャラリーの宮島達男展 MEGA DEATH: shout! shout! count! 単なるカウンターでもでもここまで大規模な展示だと楽しそうです。
ギャラリーなつかの内海信彦ポーランドプロジェクト2000。紛争地で展覧会やイベントをやる作家さんらしいのですが、最近は何してるんですかね?
資生堂ギャラリーが現在の天井の高いホワイトキューブにリニューアル。オープニング展はex-カチョー×ヤノベケンジ展。ヤノベの放射線を受けると立ち上がる巨大フィギュアはこの空間のために作られたんですね。資生堂ギャラリーは現在でもこの空間を生かす展示をやっててエライ!
板橋区立美術館で成田亨がデザインした怪獣をバイトで立体化していたという高山良策の絵画展。本業の絵画もかっこいいです。板橋区立美術館もこのころから変わりませんね。
エプサイトの大竹伸朗のデジタルワークス。PC相手に悪戦苦闘する様子を「鼠日記」という作品で公開しているのも面白いです。
ギャラリー間の住宅のル・コルビジェ。プランのみのものを含めコルビジェ設計の住宅を全て展示。狭い空間だけに圧巻だったでしょうねえ。ギャラリー間も建築の展示方法を毎回創意工夫しているギャラリーです。
ギャラリーGANの土屋公雄展。狭い部屋の中を時計で埋め尽くした作品。どうも僕は何かを大量に集積というのが好きみたいです。
東京都現代美術館の村上隆 召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか。村田さんは村上隆の作品は作る喜びではなく戦略が成功した喜びしか感じないと書いています。森美術館の五百羅漢図展で感じたモヤモヤの正体が晴れました。
ナディッフのイチハラヒロコ「万引きするで。」海外でこのフレーズが書かれた紙袋を配り、それを手に買い物する外国人を撮った動画。
彼女は横浜トリエンナーレにも出品していたようです。皮肉もここまで即物的だと一種清々しいです。
コバヤシ画廊で37歳で事故死したという諏訪直樹展。宗教家の家出身とのことで、なんだか訴えかけるものがある作品です。
現在も断続的に続いている(と思われる)カフェ・イン水戸。またしてもイチハラヒロコ。この表現方法は万能ですね。さとうりさは六甲ミーツアート2017のメインビジュアルにも使われてますね。
村田さんは日展を毎年見に行き、毎年代り映えがしないと批判しています。そこで本文で槍玉にあげられている作家が実際にどんな作品を描いているか、ちょっと調べてみました。
なるほど、確かにどの人も同じモチーフ、同じ表現方法の絵が並んでいますね。もっとも同じ表現というなら草間彌生の水玉や、安藤忠雄のコンクリートも同じです。両者の違いは後者は少なくとも結果的には大衆にウケるような作品が目指されたのに対して、前者は非常に狭い世界内のみの評価を対象にしていること。後者は伝説化した嘘と真実の叫びが同居しているのに対し、前者は終始嘘のみで構成されている点です。だからこそ羊、ドレスの少女、燕尾服とバイオリンという日展なのに日本になじみのないテーマばかり選ばれています。
NTTインターコミュニケーションセンターのダニエル・リベスキンド展。とても建築の展覧会に見えないのがミソ。建築家が美術館で展覧会をすることに対する疑問を見事に蹴とばしています。もっとも本業もこのテンションで仕事してるのは逆の意味で問題ですが。
2003年からは③に続きます。