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アートの視点からMUTEK2017を見る。

お台場の日本科学未来館で開催されたMUTEK2017に行ってきました。

日本科学未来館は宇宙飛行士の毛利衛氏が館長を務める科学博物館。体験型の博物館であるだけでなく、研究施設と一体になっており、研究員は研究と展示解説を両方こなすことでプレゼン能力を養うというコンセプトとなっています。

 

ここでは過去にもジェフ・ミルズビョークが音楽イベントを開催しています。本来は音楽やアートも最新技術を使った表現が多いので、親和性が高いのです。

 

一方MUTEKはカナダ発祥の「電子音楽とデジタルアートの祭典」。去年は渋谷WWW / WWW Xで日本初上陸を果たしました。

 

今年は未来館に開催地を移し、会場を大幅拡大しての開催です。

夜の未来館はライトが窓に移り込んで幻想的な光景をつくり出します。

 

さて、肝心のライブの内容ですが、「電子音楽とデジタルアートの祭典」というわりには、普通のライブっぽいなのが多かったです。

Rival Consoies

従来のファンの人たちからするとそれでいいのでしょうが、アートとの融合を見たかった僕からすると、単なる「ハイテンポな音楽と映像の氾濫」ばかりというのは不満です。

それでも気になったアーティストは何人かいました。DTMP田名網敬一みたいなキャッチーでキッシュな色遣いの映像が素敵です。

 

最終日の大トリを務めたHIFANAは事前にプログラムを行わずにリアルタイムでビートを刻んでいくスタイルです。こちらもアニメなどの映像を交えつつ、和、洋、アフリカ、果てはマリオまであらゆるものを取り込んだ作風が特徴です。

 

しかし、もっともテーマに合致していたのは小室哲哉+脇田玲でしょう。

映像はミクロからマクロまでの万物の流動性を表現したものでしょうか?音楽も映像に合わせて壮大な印象です。

 

また今回は幕間に冨田勲に捧げる空間作品を上演。

冨田 勲の「月の光」に合わせて49個の球体がバラバラに点滅し、上下します。

 

内容は完全に満足のいくものではありませんでしたが、今回場所が場所なので普通のライブではありえない子供連れの人も多く見かけました。この調子でいろんなものを融合させていってみんなが気軽に楽しめるライブを作っていってもらいたいと思います。

 

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