武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の「コンサベーション_ピース ここからむこうへ part A 青野文昭展」をみてきました。
吉祥寺美術館ははじめて行きましたが、商業施設と完全に一体化しているんですね。アーケード街直通だし、これは利便性が高そうです。
青野文昭氏は大学時代から一貫してものの「復元」に力を注いできた作家です。しかし作品を見ると、「復元」とか「命を吹き込む」などというより「全く違う者に変換する」といった方がしっくりきます。
キャリアの初期においてはコンビニ弁当のトレーなど身近なゴミを修復していましたが、徐々に作品は巨大化。近年はトラックとタンスを合体させた作品を発表しました。
髣髴させるのは映画監督のデヴィッド・クローネンバーグの世界観です。
彼は「ヴィデオドローム」や「イグジステンズ」で人体と機械が融合した数々のガジェットを生み出しました。
今回の展示ではさらに規模が大きくなり、吉祥寺の街で取得したゴミ、リサイクル品を用いて吉祥寺の街全体を表現しています。メインの円状の作品は内部に入ることができ、中は井の頭公園の池をイメージしています。
タンスの中に住まう新人類のような奇妙な世界観です。ウルトラセブンに出てくるダークゾーンに住まうペガッサ星人みたいです。
以下この奇妙なタンス人間の生態を分析してみたいと思います。
なんだかやたらインパクトがありました。古いタンスだからカビ臭いんでしょうか・・・
仲良く自転車デートのカップルですが、裏側に回ると彼らの生活ぶり(?)も分かります。
なぜかコンセプチュアルアートのような風格を感じさせる男。観音開きのタンスとも見事に一体化しています。
どれだけ踏みつけにされようとも、吉祥寺の風紀を守護する誇り高い人物です。美術館外にも多数生息してます。
タンスの森の内部は井の頭公園の池をイメージ。そして池といえばはい、どざえもんですね(笑)そして池の上空を飛び回る謎の爆弾魔?も気になります。
長靴に描かれた電気ネズミのほうが本体という説もあります(笑)
空き缶の海に溺れる男。そしてなんと深層部には・・・
吉祥寺の防犯対策もばっちりです!
青野さんは特に吉祥寺には縁はないようですが、ここまでフィールドワーク(?)によって物語を膨らませるとは、今後の活躍も期待できますね!
ということでナンコレ度は★★★★