池袋のパルコミュージアムで開催中の「70 CREATORS’ SEVEN」(2017/10/19 (木) -2017/11/05 (日) を見てきました。
この手のアニメ系展覧会はグッズ販売を目的としたやっつけ仕事になりがちですが、パルコミュージアムのそれはイラスト系を中心に毎回質の高い展覧会になっています。
特に今回の展覧会はウルトラセブンをテーマに70人ものイラストレーターに新作を描いてもらおうというかつて若者文化を牽引してきたパルコでしかできないような企画です。現役の大物から中にはもう懐かしい名前もチラホラ・・・スージー甘金とか。
入り口には御年81歳でバリバリ現役で活躍されている田名網敬一氏の大型作品が。セブンとウインダムだけはきっちり描いてますが、それ以外はめっちゃ平常運転です。
画面端の先行者とメカゴジラⅡのレーザーヘッド装置を足したようなロボットも気になりますが・・・
やはりここは画面中央のUFO(?)から出て激しくヘドバンする人物に注目です。田名網氏のこの展覧会に懸ける情熱が読み取れるというものです。
そんなわけで今回もこの展覧会のMVPを独断で決めていきたいと思います。
知能指数10,000、3本足、エメリウム光線一発で死亡とネタの多さとコアな人気を誇るチブル星人。
石黒亜矢子氏の「パンドンとミクラスの大一番」では行事を務めるなど、個性を生かしています。
白黒の造形がかっこいいペガッサ星人。ダークゾーンという人類には近くできない高次元空間に潜むというアイデアは現代でも最先端を行きます。ここではそのダークゾーンを独自に解釈してます。
戸棚にさりげに星人がいたり、成人の宇宙船が浮かんでいたり、日常に潜むダークゾーンを独自の感性で視覚化してます。
「人類なんて、我々から見れば昆虫のようなモノだ」と名前通りクールなセリフが有名な星人。でもセブンにはあっさりやられました。今回はなぜか扇風機と一体化(扇風機が支持体になっているというべきか?)。商品化してほしいです。
本編では泡だらけの無人都市という最高にSF的空間を演出しましたが、イラスト一枚で一気に萌えキャラ化です。ダンカンが球状になって移動するシーンですが、顔面だけ外れて転がっているように見えます。
毎回相性の悪い仕事が振られる、上司の引き立て役にされる、死ぬまで戦わされる、とセブン株式会社のブラックぶりを世に知らしめたカプセル怪獣たち。望まない就職先に必死にしがみつく就職氷河期の学生のごとく悲哀が付き纏います。そんな情弱怪獣たちの悲しくもおかしい姿をご覧あれ。
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銀座の和光前でエレキングと戦うセブン。かなり大きな絵で戦車で遊ぶキングジョーなどみ見所も多いのですが、セブンの後ろにはなぜか順番待ちをするカプセル怪獣たち。いつも当て馬に使われることに対する復讐でしょうか?
セブンを彩るキャラクターが千手観音になっているこの作品。
カプセル怪獣は3匹揃って蓮華台に(泣)何とか脱出しようとするミクラスとウインダムに対し、アギラの諦観した表情がいいです。
ちなみにこの作品、頭頂部はガッツ星人に祀られ、ダブルピースするセブン(笑)
腕だけで誰か全部わかる人はすごい!
「我々は、いかなる戦いにも負けたことがない、無敵のガッツ星人だ」いつか使ってみたいセリフです(笑)。
でもぽっちゃりとした体形にダサTシャツみたいなボディペイント、目もとと喉、嘴だけニワトリとあまり強そうに見えません。まあモスラ幼虫だってゴジラに勝ったんだしこの意外性がいいのかも知れません。
もはや作中の面影はありません。鳥類愛護週間のポスターに使えそうです。
セブンも一切手出しができない四次元空間を自在に操る強敵ですが、顔は独特の愛嬌があります。セブンの宇宙人や怪獣はみな憎み切れない個性が溢れています。にしてもこのポーズは何でしょう?「ちょっと聞きました?奥さん」「やーねぇ」って感じですか?
みうらじゅんの世界観にマッチしすぎてるバド星人。もう「みうら星人」でいいんじゃないんでしょうか?この腕の角度が絶妙に怪しい雰囲気を醸し出しています。「自称・宇宙の帝王」ですが、外観はむしろクラスのネクラないじめられっこです。
「地球人の男性はかわいい子に弱いってことがわかったんだもの」侵略宇宙人史上に残る名台詞ですね(爆)ファッション感覚で地球侵略というのも前代未聞です。
まさか彼が一位になるとは。パルコの軽薄(褒めてます)な空気になじみまくってます。もうパルコ星人でいいんじゃないか(またか)
ツッコミどころ満載なので、だれか一緒に行ってほしい展覧会です。ナンコレ度★★★
オマケのアンヌ隊員コレクション