2018年9月23日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

常識を打ち破れ!コマンドN 20周年記念展「新しいページを開け!」

神田の3331 Arts Chiyodaで開催中の「アーティストイニシアティブ・コマンドN 20周年記念展「新しいページを開け!2017年10月20日(金)~11月19日(日)を見てきました。

場所は秋葉原からほど近くの元中学校。施設前の公園も地域の人にフル活用されてるし、リサイクル施設の成功例としては、かなりレベルが高いと思います。

 

コマンドN」は、マッキントッシュのショートカットキー『command+N』=「新しいページを開け!」から来ています。その名の通りこれまでにない新しい試みを続けてきました。今回はその20周年記念展ということで、アーカイブと再現インスタレーションが展示されています。

コマンドNの企画物が20年分なので、その資料は膨大です。全部見てると一日がかりになってしまいます。ちなみに手前の青いものは実際販売されたピクニック用カバン。シートを引き出して、カバンに頭を突っ込んで寝れます。後ろの白い棒状のものは人生ゲームのコマを等身大に拡大したものです。

以下特に面白かった企画をピックアップしてみました。

 

3位.「コマンドN」展 縦横の比率を変えずに拡大・縮小(2000年)

一か月間コマンドNの事務所がギャラリーに引っ越しアートプロジェクトを形成過程自体を展示するというもの。ディスカッションを公開するというのは今回のトークイベントにも通じますね。

 

2位.伊藤淳個展「777」(2007年)

元パチンコ依存症の作者によるパチンコ廃台を素材とした作品を展示。パチンコって日本の裏社会に深く根付いてるし、文化面から見ても研究し甲斐がありそうです。

 

1位.CNT(Command N Time)(2001年)

アートフェアの音声案内の乗っ取りです。アートフェアに訪れた人をインタビューしてますが、「金が欲しい」と各国翻訳で叫んだり、柴犬のクンクンにインタビューしたり、おおよそ役立つ情報は流れません。今日び騒音になってしまった音声案内を再び楽しいものに蘇らせました。

 

東京ラビットパラダイス(2001年)

またこれらアートプロジェクトから特にコマンドNの代表作と見なされる「秋葉原TV」「東京ラビットパラダイス」「スキマプロジェクト」については、再現インスタレーションを展示しています。

こちらはスキマプロジェクトの再現。展示室の壁の間に入っていくと・・・

スキマ広告が展示されています。昨今ないふざけっぷりです。

しかし何といっても彼らの代表作は「秋葉原TV」。電気街のテレビモニターに1分以内のビデオアートを展示するというもので、今日の芸術祭を秋葉原のTVモニター上でやったようなものです。

美術とは最も程遠そうな電気街に美術作品を紛れ込ませることで、美術に無関心な人々を強制的に巻き込もうという試みです。今日のChim↑Pomに似た手法ですね。

秋葉原TVは1999年、2000年、2002年と三回行われており、全部見ようと思うとかなり時間がかかります。しかしそれぞれ1分以内のキャッチーな内容なので、結構見入ってしまします。ここでは5つだけピックアップします。

 

5位.イチハラヒロコ(1999年)

見たまんまです。この作品が電気街に展示されている光景を想像するとうっとりしますね。

 

4位.クリスティン・ルーカス(2000年)

電波の幽霊を視覚化した作品でしょうか?派手な特殊効果は一切ないのに非常に不気味です。

3位.アレスデール・ダンカン(2000年)

どう見てもそうは見えない「自称」芸術家が玩具のピストルを手にイチャモンをつけてきます。バックの桜と城も含めた過剰な演出が笑いを誘います。「こちとら芸術家じゃ!」とすごむ姿はエラそうな芸術家への風刺かもしれません。

 

2位.中村政人(1999年)

電気街の電飾看板から文字情報を抜き取り、色調だけを楽しむ看板を作りました。作者はプロジェクトを通して身近なものにこそ私たちを楽しませるアートがあることを訴えています。

1位.臼井敬太郎(2002年)

新感線のこだまが画面を横切るのに合わせて、電気街のビルと電飾看板が増殖していきます。音楽に合わせた画面の切り替わりが気持ちいい作品です。

 

このようなイベントは近年は流石にChim↑Pomや北川フラムにお株を奪われた感じですが、アートの可能性を考えるうえで貴重な機会になるのは間違いないです。ナンコレ度★★

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