2018年6月19日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築とSFのカンケイ。反重力建築展

The Artcomplex Center of Tokyo で開催中の「反重力建築展」(2017.10/10ー10/15)を見てきました。

建物はJR信濃町駅と地下鉄四谷4丁目駅の間の住宅地に埋もれるように建っています。夜行くとオープンしているとは思えないほど真っ暗です。この中に並みの美術館を上回るギャラリー10個ぶんぐらいの空間があるとは思えません。

 

姉咲たくみ氏は大学の建築学部を卒業後、芸術家になった経歴を持ちます。

ここでは気に入った作品ベスト5を上げてみたいと思います。

5位.「星間戦争」

空中都市同士が光学兵器で戦争している作品。「銀河英雄伝説」などではおなじみの光景ですね。

 

4位.折りたたまれる都市

ガンダムのスペースコロニー内部のようにも見えますが、近年では映画「インセプション」のイメージが強いですね。

映画「インセプション」

新潟県には大地が持ち上がる駐車場も作られていますが、まだまだ現実が追い付かないジャンルです。

 

3位.田園風景と宇宙船

姉咲氏は古典的名作を取り込んだ作品も作っています。こちらはミレーの「落ち葉拾い」に反重力都市が挿入されています。

ミレー「落ち葉拾い」

テレビモニターが大量に使われた宇宙船は、さながら田舎の田園に文明の侵略といったところでしょうか。

 

2.仮想戦記?

こちらは藤田嗣治の「哈爾哈(ハルハ)河畔之戦闘」を取り込んでいます。

藤田嗣治「哈爾哈(ハルハ)河畔之戦闘」

どちらの作品も元の絵より画面が引いた構成になっています。あくまで元の絵を変えずに周囲を付け足すというスタイルです。

こちらは宇宙船にはなぜかヨーロッパ風の尖塔が多用されていたり、スターウォーズ風の兵器が書かれていたり、いろんなものをとりこんでいます。

 

1位.キリコと未来都市

反重力でありながら、建築個々のデザインは現在までの堅実なデザインに留まっているのが面白いところです。

画面中央には有名なジョルジョ・デ・キリコの「街の神秘と憂鬱」が登場します。

ジョルジョ・デ・キリコ「街の神秘と憂鬱」

この少女の絵は色んな作家が引用しているので、画家のインスピレーションを刺激する作品なのかもしれません。

僕が反重力建築といわれて真っ先に思いつくのは野尻抱介さんのSF小説「ふわふわの泉」です。

色々なイメージが膨らむ展覧会でした。★★★

 

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