2018年9月23日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

段ボールの神は何を語るか?「本堀雄三展」

渋谷のNUNZUKAで開催中の本掘雄三展を見てきました。

遠くから見ると仏像群ですが・・・

 

近くで見ると、段ボールでできていることが分かります。

段ボールとはいえ、かなり作り込まれており、特に掌の再現度は高いです。これは普通に3Dプリンターで作るより、深い仏像の造形への理解が必要そうです。またところどころ段ボールにマジックで文字が書かれており、これらがリサイクル品であることを伺わせます。

もう一組。こちらは仏像が持っている棒状の道具が突っ張り棒になっています。子供にも喜ばれそうな感じです。

特に面白かったのは後光の炎の部分を、お菓子などパッケージでコラージュしているところです。遊び心溢れています。

ところでなぜ段ボールなのでしょうか?作者は阪神大震災の経験から新しい材料を使うことに抵抗を感じ、リサイクル品を使うことにしたと語っています。しかし僕はやはり外観上のインパクトの大きさを狙ったものと感じました。

段ボールの仏像は正面から見ると顔面が欠け、しかも近づくと段ボール内部のトラス構造によりとり細かい穴が明らかになり、非常に不気味です。一方側面に回ると段ボールの印刷面が露わになり途端にポップになります。

不気味さとポップはいずれも仏像=神とは縁遠い存在です。本堀氏はこの表現により神への不信感を表したのではないでしょうか?

 

ところで僕はNANZUKAは地下1階から地下2階に引っ越してから初めて訪れたのですが、空間が広がったことよりも、より荒々しくなった内装が印象深かったです。

ビルを通らず直接階段でギャラリーに行けるようになり、より潜っていく感が強まりました。その空間の貢献も加味してナンコレ度は★★★とします。

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