東京藝術大学美術館の『全国美術・教育リサーチプロジェクト- 文化芸術基盤の拡大を目指して- 「子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。パブロ・ピカソ」 』《会期: 2017年11月17日(金)-12月3日(日)》を見てきました。

やたら長いタイトルですが(笑)美大自ら美大の教育の在り方を考えてそれを公表するというのは良さげな試みです。というか皇室の展覧会も同時開催してましたが、藝大の展覧会は毎回無料の展覧会の方が楽しそうに見えるのは僕だけでしょうか?(笑)

OJUN(9歳)夜の新宿

OJUN(57歳)雪景

会場入り口にはOJUNさんと日比野克彦さんの幼少期の作品と最新作を比較展示してます。どっちもあまりうまくなってないですね(爆)まあそう見える人を敢えて持って来たのでしょうが。

(OJUNの解説より)

9才の時に当時通っていた絵画教室で描いた。西武新宿駅のホームから臨んだ歌舞伎町の辺りだ。家族の待ち合わせに使った喫茶店も食堂も今はない。紙の上をクレヨンでキックするように描くのが楽しかった。それは今も同じ。

流石にいいこと言いますね。色彩感覚が狂ってる感じや、絵の具が盛り上がってる感じから描く喜びが読み取れます。

のっけから美術教育を否定するような展開で、いやがうえにもにも期待が高まります。

展示はセクションごとに幼稚園→小学生→中学生→高校生→大学生→大学院生→卒業生と分けて展示するというオーソドックスな流れ。

技術的にどうであれ、描く喜びが伝わってくる絵がいい絵だと分かります。

杉戸洋の銀紙を使ったワークショップ

ワークショップ「目指せ!ピカソ」

小学校のところではワークショップも多数紹介されていました。「目指せ!ピカソ」はキュビズムを実際に描いてみるというものですが、こうでもしないとキュビズムなんて一生描く機会ないですね。

小学生の作品が一番目を見張るものがあると思います。どんどん新しいことを覚えるし、時間もあるし、色々な邪念からもまだ比較的自由だからでしょうか。

一番感動したのがこの「ゆうちょアイデア貯金箱コンクール」です。僕は当時毎年気にはなってましたが、結局一度も作りませんでした。

ジンベイザメとイワシのむれちょ金箱

トキも貯金は大事

ふっかつ!熊本城

大漁だー、大漁だー

残念ながら、お金を入れて遊ぶことはできません(笑)

途中ちょくちょくプロのアーティストの若いころの作品が出てくるのですが、一番笑ったのがこちら。小谷元彦さんの作品です。

小谷さんといえば2011年の森美術館他の個展で巨大な架空生物の彫刻などでドキモを抜いてくれた人。その彼の高校生のころの作品(?)は実在のプロレスラーと彼の身近な人々の妄想対戦カード。チケットや雑誌の記事を作って自宅のトイレに貼ってあったそうです。

小谷元彦「馬の目をくり抜かれた男」

(大学)矢野祐貴「うぶすな」

大学以降も個々の作品は面白いのは沢山あったのですが、小学生の作品を見た後ではウケ狙いや技巧に走る面が見えてしまい、どうしてもパワー負けしてしまいます。

 

展覧会としては、美術教育については特に結論は何も書いてありませんでしたが、おそらく関係者も「中学以上の美術教育はいらない」という結論に達したのではないでしょうか?そう書けないのはここが美術大学だからでしょうか?

 

テーマ設定は迷走気味ですが、作品はプロ、アマともに目を見張る作品が多く、色々発見もありました。ナンコレ度★