三菱一号館美術館(丸の内)の藤原葵個展「形態」【2018年3月20日(火)~4月15日(日)】を見てきました。
美術館の一室の3点だけの展示ですが、インパクトのある作品でした。
2点ともかなり大きな絵で、藤原さんが好きだという赤と青を基調に、中央に黄色いキノコ雲のようなものが立ち上ります。
藤原さんは初期は普通の抽象画を描いていましたが、留学の際日本独自の表現を模索するようになり、アニメのエフェクト、特に爆発を抽象化して描くことを思いついたそうです。
「新世紀エヴァンゲリオン」などでも見れた十字の無数の光。
黄色いキノコ雲の周りにはマーブル模様の裂け目のようなものが。SF映画に出てくる次元の裂け目を髣髴させます。
小さく無数に描かれた頭に羽の生えた人物のようなものは藤原さん自身の自画像を表すアルパカらしいです。初期はもっとしっかり描いてましたが、最新作では極度に抽象化しています。
オタク文化を分析して美術作品化するのは村上隆さんが先行してますが、これは新しい方向性になりそうです。画面も美しく、今後の展開が期待できそうな作家さんです。★