2018年12月16日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★執拗なこだわりが野生の美を生み出す「感性で語る存在の証」

国立国際美術館(乃木坂)の地域で共に生きる障害児・障害者アート展 感性で語る存在の証【2018年1月17日(水)~22日(月) 】を見てきました。

東京近郊の障害児の作品を「障害者アート」、世界的に評価を受けている障害者の作品を「アール・ブリュット」と呼んでいます。こうも明確に階級分けするのは違和感を感じます。

澤田真一「無題」

とはいえいわゆるアール・ブリュットの作品とそれ以外の障害者作品に歴然たる密度の違いを感じるのも事実です。いまや国内のアール・ブリュットの代名詞的存在の澤田真一さんの作品が3点展示されていました。棘がびっしり生えているのが特徴ですが、よく見ると棘一つ一つがフジツボのような生物的デザインが施されています。

澤田真一「無題」

そのため、海岸の生き物が集まった群体生物のようにも見えます。

澤田真一「無題」

また棘以外の腕や舌のようなパーツも棘と親和性が高く、棘のみで全体を統一感のあるデザインにまとめているのが分かります。

 

こちらは鉄道を異様なまでに高いクオリティで再現する水谷伸郎さんの作品

水谷伸郎「西武鉄道池袋線」

内部も高いレベルで再現されています。廃品など限られた材料、画材で工夫して本物感を出していることが分かります。

木村全彦「旬の食材」

写実的な絵に謎の紋様がびっしり書かれるのが特徴の木村全彦さん。ただこの海鮮類を中心とした作品は食材の新鮮味が紋様でうまく表現されています。

 

国内のアール・ブリュットの著名作品をまとめて初めて見ましたが、どれも部屋に飾りたくなるようなコレクター心をくすぐる作品ばかりですね。執拗にこだわって描くということは美術教育とは無関係にできることなので、それがコレクターに評価されたのかも。ナンコレ度★


地域で共に生きる障害児・障害者アート展 感性で語る存在の証

会期:2018年1月17日(水)~22日(月)
毎週火曜日休館
開館時間:10:00-18:00 毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E

観覧料:無料

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