2018年12月18日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★あなたの隣の異界「アサクサエンターテイメンツ」

ASAUKUSA(浅草)のアサクサエンターテイメンツ【2018年2月18日(日)〜3月4日(日)】を見てきました。

 

2階で日替わり2交代で異なる映像作品を流し、他に1階と近くの郵便局でも毎日同じものを上映するという仕組みです。

浅草郵便局のモニターでは短い映像作品がエンドレスで流れます。

佐藤満夫、山岡強一共同監督「山谷─やられたらやりかえせ」

何度でも再入場可とはいえ、全ての作品を見るのはなかなか骨が折れます。

上映作品で特におすすめなのが山谷─やられたらやりかえせ」という作品です。アート作品というより社会派ドキュメンタリー映画で、山谷という東京都台東区にかつてあった日雇い労働者の生活を中心に描きます。

佐藤満夫、山岡強一共同監督「山谷─やられたらやりかえせ」

大阪や福岡のドヤ街などの映像も交えつつも、物語の中心は日雇い労働者と暴力団の闘いです。

佐藤満夫、山岡強一共同監督「山谷─やられたらやりかえせ」

映画の始めの方では日雇い労働者の待遇改善を経営者に要求するシーンが多く出てきますが、やがて労働者の生活を圧迫しているのは暴力団の介入が原因であることが明らかになります。

佐藤満夫、山岡強一共同監督「山谷─やられたらやりかえせ」

暴力団の悪行を映画で取り上げたため、監督の佐藤さんは殺され、その志を継いだ山岡さんも映画完成後殺されます。作中にも佐藤さんが殺されたことが何度も語られ、映画製作自体が権力との戦いだったことを物語ります。

 

今日このような労働環境はほぼ消滅しましたが、暴力団は今も勢力を縮小しながらも存在するし、この事件で労働者に味方しなかった役所や警察の闇もそのままです。そういった意味ではまだ戦いは続いています。

映像としては撮影と同時進行の闘争劇に加えて、各地のドヤ街の映像も見どころ。横浜の寿町で芸術祭が開かれたように、このような街も変貌しつつあるので、そのナマの空気が味わえる映像は都心の異界といった趣でかなり新鮮です。★★

 


アサクサエンターテイメンツ
会期中毎日開催!

2018年2月18日(日)〜3月4日(日) 
平日 18:00 – 21:00 土日 13:00-20:00
*開場は、上映時間の30分前となります。
入場料:500円(定員15名・会期中複数使用可・上映中出入り自由)

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