SCAI THE BATHHOUSE(上野)のアニッシュ・カプーア / 遠藤利克 / 大庭大介 / ヴァジコ・チャッキアーニ【2019年3月26日(火)- 4月27日(土)】を見てきました。
最大の目玉はやはりアニッシュ・カプーアです。
福岡市美術館や金沢21世紀美術館の作品が有名ですが、最近では都内や別府で個展をするなど、息の長い作家さんです。
海外でも巨大な作品があり、毎回表現方法も変わるので、見ていて飽きないです。
この皿型の作品は彼の代表作ともいえるお皿型の作品の一種です。
しかしこれまでの作品と違い、表面はメタリックな塗料が使われており、角度によって色合いが変わります。
光の反射具合の変化が面白いです。
形状がつかめない感じはこれまでの作品と同様です。
カプーアの作品にしては小品ですが、僕は未知の惑星のように見えました。
真横から見るとこんな感じです。
解説に上記作品と対極をなすと書かれているのが、2017年の個展にも出品されたこの作品です。
外観は血が滴る肉塊をガーゼで包んだように見えます。
目を背けたくなるような生々しい表現はこれまでのカプーアの表現とは全く異なり、彼が挑戦し続ける作家であることが分かります。
他の作品ではこちらが印象的でした。
パネルと麻を重ねて独特の質感を実現してます。
水そのものを彫刻として展示した遠藤氏の作品(今回はプランのスケッチのみ)も合わせて考えると、今回の展示のテーマは事物そのものの面白さだと思います。
そのように考えると、銭湯を大胆に改造した本ギャラリーも物質的に面白い建物です。
木造の建物にトラス鉄骨を取り込んだり、天窓から自然光を取り込んだり色んなものが混ざり合ってます。
一見地味な企画展ですが、意外と色々考えさせられました。★
アニッシュ・カプーア / 遠藤利克 / 大庭大介 / ヴァジコ・チャッキアーニ