TOTOギャラリー・間(六本木)の「en[縁]:アート・オブ・ネクサス――第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館帰国展」【2018年1月24日(水)~ 3月18日(日)】を見てきました。
ヴェネチアでの建築展の様子を紹介するものです。
特徴としては1975年以降に生まれた若手の建築家を紹介していること。そのせいか全ての作品が戸建て、もしくは小規模な集合住宅でした。
建築展ではお馴染みの西田司+中川エリカの集合住宅をはじめ、
様々な形で理想の生活を求めた住宅が紹介されているのですが・・・
若手の建築展のはずなのに、どこかで見たような既存のアイデアがほとんどでした。部屋を立体的に配置とか、やたらスカスカの家とか、前世紀から全く変わっていません。
2階建てなのに3階分窓がある「躯体の窓」と、
2階をまるごと減築して省エネに努めた「15A(アンペア)の家」がちょっと面白かったぐらいです。
かつての高度経済成長期やバブル期にはあらゆる大仰なアイデアや奇抜な発想がウケ、ときには実現したものですが、今や建築家も社会全般も安全策に走り、個々人の小さな夢を実現することのみを考えるようになったということでしょうか。今回の日本館の形状もかつての吉阪隆正のものとダブります。アイデアが縮小再生産され続ける現状は何とかならないものでしょうか?