静岡県の「富士山世界遺産センター」に行ってきました。
設計は坂茂氏。国内では大分県立美術館、海外ではポンピドーセンター・メスが有名です。
特徴的な逆三角形の形は逆さ富士を表現してます。隣の鳥居を通して本物の富士山も見えます。
水盆に移すことで、逆さ富士が完成します。水盆の底はチャーコルブラックという黒い石で、鏡の効果を増強してます。
外観を形成するのは120角の富士ヒノキ材6,973本。一見全部同じ形ですが、3D加工マシーンで細かいひねりを加えており、富士山のそりを再現してます。
構造を説明する図面です。逆さ富士をガラス面の鉄骨が支えています。中はスロープになっており、その上に展望台が載っています。
平面図を見ると、前面道路から鳥居をくぐって、水盆を回ってから中に入る動線になっていることがよく分かります。
写真の右側の水盆をぐるっと回ってアクセスします。
エントランス部分です。スロープや渡り廊下が錯綜し、単純なようで意外と複雑な作りです。
図面で見るとこんな感じです。
案内図で見るとまずスロープを一気に登って登山体験→富士山の形成を勉強し、そのあと富士山信仰や自然を見て、最後に企画展示という順序が予定されています。
スロープ部分。外側に逆さ富士の高さに合わせて富士山の自然が音と映像で表現されていて、疑似登山経験ができます。
映像自体にも富士山を登る人が影絵で描かれていますが・・・
観客も映像に取り込んで絵が完成するイメージです。
屋上に置かれていた椅子も逆さ富士。屋上の展示室は富士山の形成を映像で紹介しています。
屋上展望台。ここも床がよく反射して逆さ富士になっています。
横長の開口部は坂氏得意の手法である引き戸で閉じることができます。
屋上の展示室の外側が鏡面になっているのは、逆さ富士的に余計な部分なので、視界から消すためだと思われます。
展示物は他に富士山信仰を示す巨大絵画や・・・
映像作品や文学作品などが印象的でした。
左官職人、狭土秀平氏の巨大壁画も。富士山に対する多様な表現が凝縮されています。
ミュージアムショップやカフェ、図書館など付属施設も充実しており、しかも最寄駅から徒歩5分ほどでアクセス可能。かなりおすすめ施設です。★★★
死ぬまでに見たい100の建築 – 博司のナンコレ美術体験2019年6月9日 10:49 AM /
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