ワタリウム美術館(神宮前)の「理由なき反抗展」【2018年4月7日(土)-7月29日(日) 8月26日】を見てきました。
同美術館のコレクション展ですが、「反抗」をテーマにしているのが特徴です。
それが明確に現れているのがこちらの作品。展示室に展示できるギリギリの長さを持つはしごですが・・・
ステップが包丁でできているという公立美術館では展示不能であろう危険なシロモノです。
作者は天安門事件をきっかけに亡命した中国人。自由を得るためには血まみれになる必要があるというメッセージでしょうか?
中国つながりで(?)ダライ・ラマ14世の映像も紹介されています。ただ内容は柔らかい抵抗を提言するもので、そういう意味でも今回の個展内でも異色です。
社会派アーティストと言えばはずせないのがボイス。フェルトや脂肪を使った作品が有名ですが・・・
今回はちょっとレアな「緑の党」など政治活動に関する作品が紹介されていました。
メーデーの日に通りを掃除してほうきとゴミをギャラリーに展示するという作品。掃除しても絵になるというのは流石。
反抗とはあまり関係ない気がしますが(既存の価値観に対する反抗?)バックミンスター・フラーの作品は今回の展示で一番気に入りました。
技術的には大きく躍進した現代の車ですが、デザイン的にはフラーに追いついてない気がします。もっともこれも今となってはレトロフューチャーでしょうか?
そのフラーの頭上に吊るされたオブジェ。一見フラーの作品かと思いましたが、全然違いました(;^ω^)
壁に落ちる影も計算されてますね。
意外に面白かったのがこちら。ただ歌って踊ってるだけの動画ですが、本人たちは「生きている彫刻」だと主張しています。こんなものがアートとして受け入れられるまでにはたしかに色々「反抗」があったかも。
最後にウォーホルの写真作品も紹介。カラフルな版画が有名ですが、それ以外にも色々功績がある人で、まだまだ掘り起こしがいがありそうです。
相変わらず展示スペースは狭いですが、長い映像作品も多いし、作品の組み合わせの妙もあり見ごたえのある濃い空間になっています。★★