NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](初台)のオープン・スペース 2017 未来の再創造【2017年5月27日(土)—2018年3月11日(日)】を見てきました。
ICCはNTT東日本の私立美術館であるとともに、山口情報芸術センターととともに日本で数少ないメディアアート専門の美術館です。
展覧会は最先端のアートを紹介するとともに、現代社会の問題や未来について考えるものにしたいとのことですが・・・
ユェン・グァンミン「微笑む木馬」は人の思い込みや錯覚を利用した作品です。木馬の足部分は映像ではなく実物をディスプレイに貼り付けているので、木馬が揺れても動かず、逆に背景が動きます。
ユェン・グァンミン「エネルギーの風景」は東日本大震災後の福島の映像に見えますが、実際は作者の故郷である台湾の原発の映像。鳥の視点から見た演出なしの静かな映像はドキュメンタリー映画のようにかえって強く訴えかけるものがあります。
リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC「自分の顔を探せ!」はそのまんま自分の顔当てクイズです。顔のパーツや形を改変した9枚の写真の中に1枚オリジナルが紛れ込みます。写真も持ち帰れます。流石に自分の顔を間違える人は少ないでしょうが・・・
面白い作品、考えさせられる作品が多数あった一方、それ以上によくわからない作品が多かったです。
同時開催の坂本龍一「設置音楽2」もよく分かりませんでした。
それに相変わらず実質恒久設置の時間のずれによって人が歪んで見える岩田俊雄「マシュマロモニター」や、
立体パラパラ漫画ともいえるグレゴリー・バーサミアン「ジャグラー」を越える作品がないのも問題です。
ICCは2005年に閉館騒動がありましたが、このようなコアなファンのみに依存した活動で美術館を維持できるのか不安です。もっともICCの提唱者の磯崎新氏自身が難解な哲学用語を多用する人だから、なかなか一般化しないのも仕方ないのかもしれません。
オープン・スペース 2017 未来の再創造
会期:2017年5月27日(土)—2018年3月11日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
開館時間:午前11時—午後6時
*9月15日(金),16日(土),17日(日),22日(金),23日(土)のみ開館時間を午後8時まで延長します.
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日.なお,2/12[月]は休館,2/13[火]は開館),保守点検日(8/6,2/11),年末年始(12/28-1/4)
入場無料