LIXILギャラリー(銀座)の「ニッポン貝人列伝 -時代をつくった貝コレクション-
」【2018.03.08(Thu)~05.26(Sat)】を見てきました。
単にきれいな貝殻を見せるだけでなく、明治以来の歴代貝コレクター、研究者10人を紹介しつつ、その業績を検証する展覧会です。
その一人目が平瀬興一郎氏です。
研究の資金を稼ぐために、一般向けに標本セットも売っていました。
資材を投じて日本初の貝類博物館も設立。しかし12年で閉館していました。
平瀬氏の助手から研究の道に進んだのが黒田徳米氏です。
昭和天皇への御進講は50回にも及びました。天皇陛下の研究をまとめた「相模湾産貝類」も編纂しました。黒田氏の死後、そのコレクションは西宮市貝類館に保存されます。このようにコレクションの形成についても随時解説されています。
貝の研究者やコレクターはこの黒田氏の薫陶を受けた人がたくさんいたようで、中には女性もいました。山村八重子さんは貝のみならず、ワニを生け捕りにしたり、自ら血を抜いて剥製を作ったり、研究者というより冒険家といったほうがいい女傑です。
もちろん美しい貝、変わった貝も多数展示されていました。
また研究者の展示らしく(?)鑑賞に向かない極小の貝が展示されているのも面白い点です。
今後は水族館や博物館で貝を見るときにも視点に変化が生まれそうです。コレクターや研究者など展示品の裏方に光を当てたいい展覧会です。★★