2018年12月14日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★日本画の多様性「第7回東山魁夷記念日経日本画大賞展」

上野の森美術館の「東山魁夷記念日経日本画大賞展」【2018年 〜 を見てきました。

歴代の大賞は岡村桂三郎、鴻池朋子など前衛的な表現の人が多く、今回の展示も日本画のイメージを裏切る作品が多かったです。

谷保玲奈「ウブスナ」

金子富之「高麗」

特に1階の大きな部屋では巨大な作品が多く、他の個展、グループ展でも展示の機会の多い著名作家が多く出品していました。

山本太郎「熊本ものがたり」

2階の展示では山本さんの作品が面白かったです。

熊本の震災によって店を畳んだ老舗の表具材料店の屏風を譲り受け、それに地元で募集した思い出の品を描くというプロジェクトです。着物や三味線などとともに、プリンター、ファミコン、ぬいぐるみなど新旧の品が混在となった世界観が面白い作品です。

長澤耕平「ある都市の肖像」

他に面白かったのが長澤さんの作品。都市を抽象化した作品で、道路や河川のパターン化が強調され、ビルも個性がはぎとられています。ランドマークのないどこまでも広がっていく空虚な都市を描いていますが、離れて見ると単なる模様のように見えるのが面白いです。

 

日本画と冠するにしては前衛的で面白い作品が多かったのですが、観客は高齢者ばかり。日本画、洋画という分類が無意味化していることを思わせる展覧会でした。★

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