くろい家(足立区北千住)を見てきました。
黒い家といえば貴志祐介さんの小説などでも使われていますが、この家もかなり雰囲気があります。
作品は大巻伸嗣さんの「家シリーズ」の一つです。大巻さんは各地の芸術祭などで大型インスタレーションを次々に発表し、注目を集めている作家さんです。
「くろい家」は新潟県の「大地の芸術祭」で発表した「影向(ようごう)の家」と同じタイプの作品です。
真っ暗な中で徐々に目が慣れてくるとシャボン玉に取り込まれた煙が見えるという趣向です。
ただかなり繊細な作品らしく「くろい家」も「影向の家」も常時オープンはしてません。僕が行った日もシャボン玉を飛ばす装置が不調らしくて、完全な状態の作品は見れませんでした。ただこの作品を形作っている家だけでも見る価値はあります。
入り口は始めの写真の表部分ではなく、細い路地を入った裏口になります。
2つの玄関口は南北で家を貫いています。かなり廊下は狭く、「劇的ビフォーアフター」に出てきそうな古い家です。
1階には休憩所があり、2階に上がって吹き抜け空間で上から作品を見る仕組みです。
この階段もかなり急です。
美術作品に改造時に1階と2階の間の構造部分を露出させました。
ここより上は完全に真っ暗です。
上から作品を見た後、1階からも作品を見れる場所に案内されます。
どちらも真っ暗のかなり狭い廊下を通るので、面白い体験ができます。
「大地の芸術祭」は田舎の一軒家ですが、こちらは下町的住宅密集地であり、また違う雰囲気です。この家は近所の人に聞いてもお好み焼き屋、飲み屋、駄菓子屋、鉄工所、釣り堀など様々な証言が錯綜し、どういう物件だったのかは分からないそうです。
常時オープンではないので情報をチェックしておく必要がありますが、観る価値は十分にあると思います。★