• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★可愛さと不穏さの同居「政田武史 不機嫌なヤマビコ、加速するアポトーシス」

The Mass(表参道)の「政田武史 不機嫌なヤマビコ、加速するアポトーシス」(2017年11月18日~12月17日)を見てきました。

The massはMVRDV設計のGYREの裏側にあります。コンクリート打ちっぱなしの寡黙なっデザインで、若者の町原宿と完全に隔絶した建物です。突然木製の巨大な自動ドアが開いてギャラリーが出現する光景はかなり異様で、これだけでも見に行く価値があります。

不機嫌なヤマビコ、キレ気味のヤマビコ、それはA子のココロ模様

絵にはどれも不思議な名前が付けられています。A子って誰だよ!って話ですが(笑)普通に考えると2つの大きな顔がヤマビコ、絵全体がA子の心模様でしょうか?

 

絵のタイトルがここまで凝っているのはマグリット以来ですが、政田さんのタイトルは特に法則がないので、ある意味マグリット以上に謎です。

メメント・森。そうね、そーね!

基本的に不穏な雰囲気の政田さんの絵ですが、これは比較的ほのぼの系。

独特のスタイルの鳥がかわいいです。トレードマークなのか、この鳥は繰り返し登場します。

 

不公平な格差幽体離脱

優待離脱する前から骨なのも謎ですが、どの辺りが不公平なのか?謎は深まります。

 

引きずりぃの、引きずられぁの、覗きぃの

全体的にひと昔前のキッシュなゲームCGみたいな空間とクリーチャーですね。

横山裕一「NIWA」
ヘンな顔が次々に登場するのは横山祐一さんを思い出します。不条理なストーリー(?)も共通してますね。

 

迷うという事はない、全てが必然だ

これも可愛らしい絵。グッズ化したら売れそうですね。

ピンクチャットハウス

ポケモンのボスキャラみたいなクリーチャーが印象的です。絵本化するといいかも。

 

夢は現実のよう、現実は夢のよう

骨が多用されていることとキッシュな造形からメキシコを髣髴させますが、それには収まらない不穏や多様性があります。アポトーシスとは細胞の自殺のことです。細胞が自死して全く新しい生命体が生まれるという意味でしょうか?

The Massは部屋が3つもあり、ギャラリーにしてはかなり広いです。他の2部屋でも大小の作品を展示してました。

話なんか通じなくてもいい、突き刺さる幼児頭脳

そうそう、ギャオスの超音波メスって気になりますよね。そういえばガメラシリーズの怪獣ってゴジラシリーズより生物的に無理のある造形が多数ありました。政田さんもその辺りをヒントにしてるのかも。

 

展示規模の大きさもあり、かなり見ごたえがありました。政田さんの絵は深いのか浅いのかよく分からない独自の世界観に引き込む力があります。ナンコレ度★★

 

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