MAHO KUBOTA GALLERY(渋谷区神宮前)の村井祐希「村井のいっぽ」【2018.06.28 – 07.28】を見てきました。
村井さんは学生時代より様々な展覧会に出品しており、大型のインスタレーションで強烈なインパクトを残してきました。
今回の展示でも複数の表現が試みられており、見ごたえがあります。
その中でも最大のものが入り口横の壁に掛かった作品でしょう。
絵具が立体的にうねっているのは白髪一雄氏の絵画を髣髴させますが、村井さんの作品は針金など、作品の支持体にもなっているものも画面から飛び出していることです。
また作品の保護に無頓着なのか、絵具が剥がれ落ちたようになっているものも。この辺りも「オムライス絵画」の持ち味なのでしょうか?
こちらも巨大な作品です。
「オムライス」という名に反してどきつい色使いで食欲がそそられません。
無数の襞のようなものが表面を覆っており、草間彌生の触手作品などより数段不気味です。
もっともこのカオス具合、グロテスクさこそが村井さんの考える「オムライス」なのかもしれませんが。
このシリーズは小さい壁掛け作品も多数出品されていました。
若手作家だけあって非常にリーズナブルな価格です。
これらの作品はそのまま穴を開けて釘やネジで壁に固定されていましたが、購入した場合もそのように展示するのでしょうか?
これは卵を使った別シリーズです。うねった金色はゴッホの作品のようだし、中央に書かれた目は靉光の「目のある風景」を思い出させます。
若いだけあって短期間に様々なスタイルを試みており、しかもそのどれも結構面白い作品になっています。今後の展開も楽しみです。★