奈良県宇陀市の室生山上公園芸術の森に行ってきました。
室生寺に行く県道から山道を登ったところにあります。
山の上を切り開いたものですが、かなり自然が残っており、よくこんなところに・・・と思えるような場所でした。
入口は南北あり、片方には関連書籍や模型がありました。
設計は地元出身の彫刻家、井上武吉氏の基本構想に基づき、イスラエルの彫刻家、ダニ・カラヴァン氏が行っています。
井上氏はビルクラスの大きさの彫刻や美術館も設計しており、カラヴァン氏も世界中にランドアートを作っており、彫刻家の域を超えています。
道は自然の高低差を利用したと思われる散歩道のようになっており、美術館然としていないところに好感が持てます。
作品の数はそれほど多くなく、公園に近いです。
写真の場所はコンサートに使われたこともあるそうです。
一応イベントに使えるよう配慮されていますが、基本は公園。写真真ん中のコジマは野鳥が来ることを想定しています。
敷地内にある棚田も開発前にあったものを残したもの。
公園内最大の作品は、写真右が分から登って展望台に、左から内部に入ると日時計になっています。
また前後に並ぶ彫刻は太陽の道(北緯34度32分の軸線)上に並んでいます。
これはこの軸線上に長谷寺、室生寺など重要施設が並んでいるというものです。その信憑性はともかく、奈良県下屈指の現代アートの空間に古都・奈良の最も深淵なものが埋め込まれているのは面白いです。
他に螺旋階段を下りていく大掛かりな作品も。
ただ作品そのものよりも自然との調和が素晴らしく、ユートピア的な雰囲気を強く感じる公園でした。★★★