ギャルリー東京ユマニテ(銀座)の富田菜摘展「中吊りの日々」【2018.2.13(火)‐3.3(土)】を見てきました。
富田菜摘さんの作品は身近な素材を用いおり、モチーフも身近なものが多いです。
過去作では空き缶など廃材でできた動物がありましたが・・・
今回の展示は中に入ると相当異常な光景。
作品はすべてモノクロの新聞紙でできており、簡素な紐とフックで天井のレールから吊るされています。
全身に書かれた文字はその人物を象徴する記事から取られています。この「成宮金之助」さんはギャンブルや投資などあぶく銭に関する記事で構成されています。それぞれの人物の瞳には象徴する漢字が使われており、成宮さんは両目ともそのまま「金」。
こちらは全身特売情報で構成される安井得子さん。ファッションは如何にも金が掛かってなさそうです。ガラケーの画面にも特売情報がはめ込まれてます。
他にも「健康」「インスタ映え」「受験小学生」「くたびれたサラリーマン」「オタク」「就活生」など一目でそれと分かる人物が多数作品化されてます。様々なバックボーンを持つ人々がすし詰め状態になる電車という空間の面白さを作品化したとのこと。
人物を文字情報で埋め尽くすというアイデアは荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」などで既に使われているアイデアですが、それを電車内でつり革につかまる人物に限定したことで、インパクトのあるビジュアルを手に入れました。吊るしておけばいいので飾り場所にも困りません。富田さんは自宅のカーテンレールに大量に掛けているとのこと。★★★
富田菜摘展 TOMITA Natsumi 「中吊りの日々」
2018.2.13(火)‐3.3(土) 日曜日休廊 10:30-18:30
★★深夜の幻想「富田 菜摘展 真夏の夜の夢」 – 博司のナンコレ美術体験2018年8月13日 10:23 PM /
[…] 富田 菜摘さんは以前のギャルリー東京ユマニテの展示では全く違う作品を展示していましたが、今回は本来(?)の廃材を用いた動物彫刻の展示です。「夜」がテーマになっているだけに会場はコウモリが乱舞してます。 […]