2018年9月23日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★異色作を多数出品!平塚市美術館「所蔵品による”なんだろう”展+新収蔵品展」

平塚市美術館「所蔵品による”なんだろう”展+新収蔵品展」【2017年12月9日(土) ~2018年2月25日(日)】を見てきました。

 

美術館の展示室の半分だけを使った小企画展ですが、意外と刺激的でした。

作品と番号だけしか提示されておらず、作品名、作家名、解説がありません。もっとも入口で解説シートをもらえるので、得られる情報は通常の展覧会と変わりありません

せっかくなので解説なしで一周見て回り、その後解説を参照しながらもう一周しました。ここでもあえて作品情報を伏せて紹介してみたいと思います。

 

若くして自殺後、急速に評価が高まった作家さんです。自殺と結び付けて現代の若者の現状を深刻に語りがちですが、僕はむしろ作家の都会での日常生活への愛着を作品から感じます。

こちらもお菓子と一緒に買い物かごに収まって、満ち足りた表情を浮かべているように感じます。

 

黒い画面と哲学的メッセージが特徴的な作家です。うさぎは愛らしいだけの生き物ではなく、「不思議の国のアリス」で重要な役割を果たすようにどこか神秘的なイメージもあります。この作品ではうさぎの上に英語で文章がびっしり書かれています。

 

日本画出身でありながら、絵画の支持体がドアという異色の作家です。このほかにもいろんなものに描いているみたいで、もっと作品を見てみたいですね。

 

デビュー以来牛を一貫して書き続けた作家です。この巨大な屏風の作品も牛の動きを表現したのでしょうか?

 

こちらも抽象画というにはあまりにも楽しげな作品です。同じく巨大な屏風の作品ですが、「ごろごろ」とか「ぐるぐる」とかタイトルをつけて絵本にしたいような魅力を持っています。

 

 

福田美蘭(左から)「水墨山水」「朝日静波」「遊鯉」

福田美蘭「絵画の洗浄」

後半ではここ数年の同館の企画展で収集した作品を一挙公開。特に東京都美術館で個展もやった福田美蘭の作品がまとめてここで見れるとは思いませんでした。「絵画の洗浄」は絵画の科学的分析に疑義を挟む作品で、「ルーベンスの下から不思議の国のアリス」というSF的状況を超絶技巧で再現しています。両者のタッチの落差も面白い作品です。

他にも田澤茂、平澤重信などの個性的な作品が並んでいました。

 

タイトルを隠し、「なんだろう?」をキーワードにすることで、非常に個性的で奇天烈な作品展になっています。また作家への質問箱を設置したり、作品ごとに感想を付箋に書いて貼るコーナーを設けるなど地道ながら観覧者と交流する試みがされているのも好感が持てます。都内から見ると横浜より西は足が遠のきますが、またには足を延ばしてみるのもいいと思います。ナンコレ度★★

 

 

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