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★新しさが足りない「白髪一雄 Kazuo Shiraga : a retrospective」

東京オペラシティ アートギャラリー白髪一雄Kazuo Shiraga : a retrospective2020年1月11日[土]─ 3月22日[日]】を見てきました。

 

白髪一雄氏は関西の芸術家集団具体のメンバーで紐にぶら下がって足で描くフットペインティングで有名です。

2008年の死の直後に開催された大規模回顧展以来の規模の展示であり、東京では初の美術館個展です。

 

白髪一雄「貫流」

白髪一雄「長義」

今回の展示では床に置かれた状態で展示されたものもありました。

床に置いて描く手法はジャクソン・ポロックが有名です。他にイブ・クラインは女性に絵具を塗りたぐって、そのまま紙に押し付けるという手法で描いています。

白髪さんもこれらと関連付けて説明されることが多いですが、白髪さんの場合

「絵具を大量に描くとフレッシュなものができる→立てて描くと絵具が垂れる→寝かせて描くと周辺にしか手が届かない」

という彼なりの合理性に基づいて描かれています。

    

白髪一雄「地暴星喪門神」

また絵のタイトルに水滸伝の英雄名が付いているのも特徴です。

これは白髪さんが猟友会に参加していたり、天台宗で修業していることに関係しているようです。

白髪一雄「游墨 壱」

作品の質は高く、立体作品や映像作品、文章や製作メモも公開されており、充実しているのですが新しい発見はあまりありませんでした。

 

白髪一雄「あびらうんけん(胎蔵界大日如来念誦)」

これは白髪さん自身のメイン作品が発展性に乏しいことが原因に感じました。

途中で円を取り込んだ作品も制作してますが、発展性がないということでやめてしまったようです。

 

白髪一雄「泥に挑む」

そういう意味では初期の実験的作品は面白く感じました。

 

世界的に評価が高まっている作家ということですが、オペラシティらしい前衛性は展示からは感じられませんでした。★

 

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