3331ArtsChiyoda(神田)のジャパニーズチップ展 ーテーブルの上で見つけた日本人のカタチー【2017年11月28日(火)〜2017年12月10日(日)】をみてきました。
辰巳雄基さんは自身のレストランのアルバイトの経験から、箸袋の折り紙が西洋諸国におけるチップにあたると解釈。全国の喫茶店やレストランと協力して箸袋の彫刻を集めました。その方法は各店舗のテーブルに「食事が美味しかったらチップ代わりに箸袋を折り紙にして置いておいて欲しい」とメッセージを置いておくというもの。そうして集まった約13000ほどの箸袋彫刻のうち約8000点も今回展示しています。
面白いのがその展示方法で、四方の壁ほとんど全部にマスキングテープで方眼マスを作り、そこにひたすらソフト接着剤で貼っていくというもの。
会場では協力店の方々のインタヴューも上映されていました。
それでは特に気になったものをピックアップしていきたいと思います。
彫刻としての造形よりも、最小限の加工にとどめて素材を生かそうという発想。箸袋のデザインがおしゃれなものが多かったので、それだけで見ごたえがありました。
動物の中では犬(と思われる)が最も多かったです。犬自体にいろんな模様があるし、見慣れた生き物なので形がイメージしやすいからでしょう。
ただそうは言ってもちょっとバランスがおかしいものも。やたら頭が大きいものや・・・
首が長いものも。失敗しても所詮チップだからと直さなかった結果、こんな個性的な生き物たちが生まれました。
ハートも結構多く用いられる形です。中でも出色なのはこれです。
なぜかイカを作ってくる人は多数いました。福井県とあるので、海産物が美味しいレストランなのでしょうか?
まだ食い足りないと思ってるのかも知れません(笑)
なぜかUMAを作っている人が一人だけいました。お腹の潰れ具合などでうねって移動している感じをうまく表現しています。
これはこの模様の箸袋に多かったです。この紋様が日本人の眠れる縄文の血を蘇らせるのでしょうか?芸術はバクハツだッ!
何の模様もないと、こんなのができちゃうようです。でもちょっとアンソニー・カロの彫刻みたいです。
アップルみたいな複合型の大規模資本投資より、箸袋を作るような細かい仕事が得意なのが日本人です。今回の展示は細部に神が宿った箸袋を、さらにもう一人神が宿った彫刻にしました、という実に日本らしいものでした。これは確かにジャパニーズ・チップかも。ナンコレ度★★