2019年2月20日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★★建築図鑑84展示室見本市「富弘美術館」

群馬県みどり市の富弘美術館に行ってきました。

設計はヨコミゾマコト氏。

 

場所は都内からだと、早老駅というところからわたらせ渓谷線というローカル線に乗っていきます。

天皇陛下も乗られた観光列車で、その名の通り渡良瀬川に沿って走っています。

木を使った落ち着いた内装。ちなみに日曜でしたが利用者は僕含めて3人のみ。

 

架っている橋がバリエーション豊かです。

また構内に温泉のある駅があったりもします。

 

最寄の駅は「神戸」と書いて「ごうど」と読む駅です。

この駅内にも車両を改造したレストランがあります。

 

ここからバスで山道を登って10分程度で着きます。女優・声優の小倉唯の出身地らしく、車内放送を担当しています。

外からの特徴は捉えずらいです。

その最大の特徴はすべての部屋が円で構成されているということです。

ロッカー室やトイレ、一般の人が立ち入らない事務室まで円という徹底ぶりです。

内部は撮影禁止です。

チケットカンターなど外部からわずかにそのコンセプトが伺えます。

 

美術館を上から見れるポイントはないのですが、こんな感じになってるようです。

池に浮かぶ蓮をイメージしたそうです。

 

新建築2005年4月号より ロビー内観

どこに何があるのか分かりやすい空間構成です。

低い位置に空いた丸い穴から、円と円の隙間がのぞける作りです。

個の隙間にも管理者用の扉から入れるようになっており、場所によっては花が植えられてたりします。

穴の位置が低いのは子供がのぞけるようにの配慮かも。

ただ隙間内部は塗装がはがれているところも多く、メンテナンスの難しさを思わせます。

新建築2005年4月号より 展示室

順路の構成は緩やかで、明確な決まりはありません。

新建築2005年4月号より 休憩室
内観で気づくのは部屋はすべて円形ですが、内装はすべて違っているということ。
上の写真の休憩室は天井と壁がガラス張りになっています。
新建築2005年4月号より 休憩室
展示室も壁紙の色や床や天井の素材、照明の種類などを変えてバリエーションをつけています。
家具類もオリジナルで様々な種類が使われています。
美術館の周りはちょっとした公園になっており、遊歩道に沿って美術館周りをぐるっと回れる構成です。
 
周囲から見てみると、内部だけでなく外観もいろんな素材を使っていることが分かります。
解説を読むと、
・円形にすると展示壁における端と中央が消滅し、同時に「どれが重要作品」みないなヒエラルキーが消滅するということ。
・星野富弘氏の多様性に共感し、ホワイトキューブを避けた
ということは分かりましたが、やはり面白い美術館を作りたかったというではないでしょうか。
展示内容ですが、星野富弘さんは24歳で怪我により手足の自由を失って以来、口に筆を咥えて詩、絵画を描くということをしている人です。
星野さんのこれまでの業績を写真や日用品で振り返りつつ、四季に合わせた展示がされています。
病院にいたころからお見舞いでもらった花を描いており、植物の作品が圧倒的に多いです。それ以外にも身近な日用品や、小動植物の作品がほとんどです。
身近なことから色んなメッセージを読み解く世界観は圧倒的で、建築を見に行ったのですが作品に引き込まれました。
企画展は地元の小学生や日曜画家の詩画が展示されていましたが、こちらも予想外に面白いです。

都内からだと結構遠いですが、道のりも楽しく、建築、展示ともに素晴らしいので行く価値は十分あります。★★★

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