NANZUKAの 「佃弘樹. 199X」【2018年9月1日(土) – 9月29日(土) 】を見てきました。
いつもながら他のギャラリーにはない個性的な作品です。目を引くのはシルクスクリーンと木材を一体に展示したインスタレーションです。
これに限りませんが、佃さんの作品はイメージの集積が船のように見えてきます。
組み合わせて積んだだけの作品ですが、他に墓標や遺跡、何かの装置のようにも見えます。
佃さんは「北斗の拳」「ロボコップ」「ブレードランナー」などの世紀末に制作されたものや、文明崩壊後の世界を描いた作品に影響を受けたとのことですが、本作もそういった空気を濃厚に感じます。
その背後の作品。やはり様々な画像から拝借したイメージの集積に見えますが、元の画像は判別できません。広告などから取っているように見えますが・・・
全体として高松伸さんのメタリックな建築にも近いように感じます。やはり世紀末の作品と共通点が多いですね。
他に目立ってたのがこちらの宙づりになった作品。
天井の蛍光灯の照明が反射して作品の一部になっているかのようです。中央上部には唯一判別できるハザードマークが書かれています。
写真なども組み合わせた作品。こちらはうって変わって荒川修作さんを思わせるクールな理論的な印象です。
写真作品もありました。
ブルーの斜面の天井からは太すぎるロープが垂れ下がっています。
高い位置に窓が開いていますが、本当に外の風景が映し出されているのかは怪しいです。
映画「未来世紀ブラジル」を思い出すデタラメな舞台セットです。
他にも様々な作品がありましたが、全体としてまとめるのが難しい展覧会でした。
一人の作家の個展でありながら、彼一人で世紀末的奔放さを表現してるのかも。★