栃木県の宇都宮美術館に行ってきました。
設計は岡田新一氏。代表作は最高裁判所や岡山県立美術館など。
石の建築で有名で、しかも宇都宮は大谷石の産地として有名。ベストコラボかと思ったのですが・・・
形状も平凡だし、高さもないので、最高裁判所のような重厚感もありません。
一応エントランスには大谷石の壁があったりしますが、一応使いました的な印象がぬぐえません。
むしろこの壁の向こうにあるクレス・オルデンバーグの中身に支えられたチューブのインパクトが絶大です。
清々しいまでに宇都宮と何の関係もない作品です。
悪天候もあって外観は地味な印象ですが、エントランスは白い壁と樹の床によって非常に明るい演出です。ほとんど一階建ての建築で、よく視界の抜ける明快な導線です。
展示室に行く場合は先ほどのオルデンバーグの彫刻を横目に長い廊下を抜けて・・・
中央ホールに出ることになります。
ここから120度ずつ振られた3つの展示室に向かうことになります。
美術館自体が巨大な公園の中にあるのですが、この中央ホールは一気に森の中に入ったような演出が凝らされています。
展示室から戻る時は脇の通路を通るのですが、ここも木の床と天井と外の森のコラボが印象的です。
森の中に突き出すように建てられたレストランも同様の印象です。
この美術館はバブル崩壊後に建てられた美術館なので、館林美術館同様、予算が不足したのかもしれません。
そこで外観を捨てて中から外を見るスタイルにしたのでは?と思いました。
そんなことを考えていたら館林美術館と同じ野外彫刻がありました。
宇都宮駅からバスが1時間1本しかないなど、かなり行きにくい場所にあるのですが、一度体験してほしい空間ではあります。★★