• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★建築図鑑78皇居横でのミシンとUFOの出会い「ワコール 麹町ビル」

東京都千代田区のワコール麹町ビルを見てきました。

設計は黒川紀章氏。

その最大の特徴は何といっても最上階の窓枠(?)です。

女性用下着メーカーのビルだけに、ミシンを模しているのでしょうか?

細長い土地に対して施主側は兎に角高いビルを要望したそうです。

1984年竣工の本ビルはいまや周囲から埋もれていますが、スカイラインを意識した特徴的な形状は今も健在。

一見ポップなデザインにも見えて、クールな機械的なイメージも取り込んでおり、普遍的なデザインに昇華されています。

頭頂部に目が行きますが、足元もかっこいいです。

未来的なイメージの丸窓。

ミシンのイメージを強化する、大きくRを取られた角。

もう一つの特徴がこの入口の庇。

UFOを模したと言われていますが、模したではなくUFOそのものです。

ライトの位置も完璧。

こんな安直なデザインをやって許されるのも黒川氏ぐらいかも。

奥には多田美波さんの彫刻レリーフ。

UFOとの組み合わせで人工衛星のオバケにも見えますし、ミシンとの組み合わせで未来の衣装にも見えます。

 

黒川氏の作品の中ではあまり重要なものとは扱われませんが、氏のデザインが全面に出ている珍しい作品ではあります。★

コメント一覧

建築図鑑124★★★黒川美術館の代表作「広島市現代美術館」 – 博司のナンコレ美術体験2019年5月11日 7:54 PM / 返信

[…] 例えば窓の形状は過去作の国立文楽劇場やワコール麹町ビルと同じですし、 […]

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