2019年5月27日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築図鑑123★禅のテーマパーク「神勝寺 禅と庭のミュージアム」

広島県福山市の「神勝寺 禅と庭のミュージアム」に行ってきました。

 

禅とは何なのか?ウィキペディアによると座禅を基本とする修行のことですが、日本好きの外国人からすると日本人は皆禅の精神を身につけており、日本のアートはみんな禅の精神が含まれていることになっているそうです。

 

おそらくこのお寺はそこに目をつけ、禅が収益になると考えたのではないでしょうか?

要はここは禅のテーマパークです。とはいえ山奥の土地を整備し、様々な施設を建てるのは大変な手間だったと思います。

神勝寺まではJR福山駅からバスで30~40分。本数も少なく便がいいとは言えません。

とはいえこのような環境でなければこんなコンセプトの施設は作れないでしょう。

坂を登っていくといきなりメインイベントともいうべき名和晃平氏のインステレーション洸庭(こうてい)が見えます。

結構高いです。入館券ではなくは拝観券です。なぜなら宗教法人は勢が免除されるからです(井上章一「京都ぎらい」参照)

 

入口のそばにあるショップは藤森照信氏設計です。

屋根の上に木が生えているのはフジモリ氏のトレードマーク。

この数寄屋建築風の仕上げもお馴染みです。

 

洸庭には入り口から石段を登って、橋を渡っていく必要があります。

道中はいろんな花が咲いており、桃源郷的雰囲気です。

対して洸庭の周りは石が敷き詰められ、抽象的な雰囲気に包まれています。

ナゾの抽象彫刻があったり、かなり不思議な光景です。

単純な形状のようで、底面が船のようになっていたり、柱が左右非対称だったり意外と複雑な作りです。

この木材を貼った仕上げもかなり大変そう。

内部は手前に映画館のような2列の椅子が並んでおり、奥は水盆になっています。

インステレーションは25分で始めは真っ暗ですが光が少しずつ色んなパターンで入ってきて、同時に水面を波立たせて色んなパターンを見せます。

自然光を取り込んでいるように見えますが、実際は人口の光で色も様々です。

水面に光の粒が徐々に増殖し大きな光になっていく過程など、かなり微妙な操作がされています。

最終的には天井まで反射する強い光が投射され、室内の輪郭が見えます。

25分というと抽象的なテーマを見るにはかなり長いのですが、意外と飽きません。

 

この洸庭以外にも敷地はかなり広く、茶店やレストラン、座禅を行うお堂など様々な施設があります。

最奥の荘厳堂という建物では、白隠の禅画コレクションが見れます。

ここまで結構コンセプチュアルな世界観だったので、白隠のユルカワな絵はバランスが取れていいかも。

現代アートと建築目当てで来ましたが、桃源郷的雰囲気はかなりいいと思います。食事も充実してるし、やはりテーマパークとして楽しむのが正しい姿勢かも。★

コメントを残す