ANOMALYの「西野達やめられない習慣の本当の理由とその対処法」【2020.01.25 – 02.22】を見てきました。
西野達さんは2017年に別府で大掛かりな展示を行うなど、非常に関心を持ってはいるのですが、都内にいるとなかなか見ることのできないアーティストさんです。
今回はギャラリーにしては大型のANOMALYでの展示ということで期待していきました。
確かにかなり大きな作品が並んでいました。
一番の大物は街灯に廃品を突き刺したようなこの作品でしょうか?
ただ西野さんの魅力は野外の大型インスタレーション。
室内の展示はやはり物足りないです。
そう思っていたら同時に近くでこんな展示を行っていました。
大阪万博50年の記念展示です。
その一環として天王洲アイル駅前のショッピングセンターの広場に展開されているのがこちらのインスタレーション。
モデルルームと車両が並んでいるようですが・・・
こちらから入ります。
ちゃんと表札も付いています。
中は普通の玄関なのですが、ドアを開けると倉庫のような空間が。
ここはトラックの荷台のようです。
また別のドアがあります。
次の間は風呂の脱衣所になっています。
ちゃんと(?)洗濯物も入っています。
さらに戸を開けるとなんと遠距離バス。
次の間は正面のカーテンの向こうにあります。
カーテンをめくるとなんとリビングルーム。
このカーテンから入ってきました。
最後は乗用車のサイドドアです。
このように家→車→家→車・・・と繰り返すのは万博の驚きの体験と重ねたとは作者の言葉。
はじめての西の体験でしたが大満足でした。★★★
後日、西さんの本も読んでみました。
作品集のような体裁ですが、解説がほとんどなく、載っている文章はほとんど西野さんの日記です。
ですが堅苦しい解説よりも西野さんの考え方や価値観が良く伝わります。
また西野さんの活動は国内より海外が多いのですが、これは海外の方が大きなうろジェクトの許可が下りやすいからではないかと思います。
同時に海外ならではの苦労もあり、南米では建物の十字架を室内に取り込んだプロジェクトをやろうとして、設計ミスで十字架が室外に出てしまうなどとんでもない間違いも起きています。しかしそのようなトラブルも楽しんでやっている様子が日記から伝わります。
ちなみに今回の展覧会でも街灯を展示室内に取り込んでいますが、街灯は西野さんが最も多用するモチーフです。
それは街灯が世界中どこでもあり、どこでも基礎的なインフラとして目の前にありながら見過ごされているものだからです。
銅像を室内に取り込む作品も、シンガポールのマーライオンは別としてもその都市に住む人にとってはスルーされているものが多いです。
これらを作品として利用することにより、既存の価値観を疑い、破壊するということが西野さんの目的なのです。