山本現代(天王洲アイル)の小林耕平 個展「あくび・指南」【2018年4月21日(土)〜5月26日(土)】を見てきました。
山本さんは近年パフォーマンスやインスタレーションで活躍されている作家です。
会場に入ると部屋いっぱいに雑多なものが置かれていたり吊られていたりします。
特に区切りはありませんが、3つの映像作品の前にそれで用いた(?)道具が置かれているという構成です。
作品は「相手のルールにのっかる」「わたしが消失する」「人間以外のものを笑わせる」とそれぞれタイトルが付いています。古典落語などが元ネタになっていますが、それを知らなくても楽しめます。
なかでも気に入ったのが、「昆虫ゼリー」になるという話です。
これは回転する絵、危ういバランスの上に乗っかる雑貨、ビニールテープなどのオブジェを使って「昆虫ゼリー的思考」を身に着けるという一種の訓練のようなものです。
円城塔さんのSF小説のような不思議で奇妙に論理的な対話が展開されています。
他の2つはより難解です。どの作品もアンチクライマックスで、動画がどこで終わったのかも判別しがたいです。
ただ作品が理解できなくとも、現代美術の実験室のような、あるいは前衛劇の舞台のようなインスタレーションは魅力的です。にぎやかで楽しい雰囲気が味わえます。しかし哲学の講義のような動画作品はじっくり見てほしいです。★★