さいたま市プラザノースの安西 剛 展 カゲノカゲノカゲ【2/18(日)~3/11(日) 】を見てきました。
プラザノースは区役所、図書館、コンサートホールなどが入居する今どきよくある施設です。
デザインが特別優れているというわけではありませんが、商業施設を含めて町のインフラを一か所にまとめたことは利便性の向上にはつながっているようです。
さて本展覧会は若手の芸術家を支援する年一回の企画で20年もやってます。
始めの部屋の展示はなかなかインパクトがあります。真っ暗な部屋に映写機とモニターが色んな方向を向いてランダムに配置されています。
外からは覗えませんが、どうも映写機の中に実際に映っている物が入っている様子。100均で売ってそうな安っぽい色合いのプラスチック玩具を組み合わせたようなオブジェがジャン・ティンゲリーを思わせる無意味な運動を繰り返します。
無意味といえばこちらの作品もそうです。
書かれているのはありそうでない用途不明の部品。支持体はチップウレタンと塩化ビニールの積層に建築用の化粧フィルム(つまり木や石っぽい模様のシール)です。
この用途不明のオブジェというのが安西さんの一貫したテーマに感じます。
アルミホイルに押し付けられた様々なオブジェ。それぞれの形状も洋と不明なものばかりです。
壁には偶然絡まってしまった糸を再構成するための手順書を掲示。さらにコンセントやホースでその絡まりを再現してます。
モノの用途が無くなることで、純粋にカタチの面白さだけが残る、というのが作者の意図のようです。
人の用途不明の骨である尾骨に目的を与える試み。
絶妙に胡散臭いイラストで力が抜けます。当たり前ですが、どの用途でも収まりが悪い・・・
一番面白かったのがこちらです。
グーグルの画像検索結果をそのままスクリーンショット→シルクスクリーンにしたものです。
有名人?の作品も。微妙に改変されてる顔があったりして面白いです。ウォーホルは版画にする写真は少なくとも自分で選びましたが、安西さんはそれすらもグーグルに任せ、あとは色の選択があるだけです。同じ顔が並ぶのもウォーホルと共通してますが、数が多い分こちらの方がお得感がある?
結構面白い作品もあり、テーマもある程度共通性が見られれるので今後期待したい作家さんです。ただアクセスはあまりよくなく、周りに他にアートスポットがあるわけではないので、交通費と時間をかけても見る価値があるかは難しいところです。★
さいたま市プラザノース
日時 2/18(日)~3/11(日) 10:00~17:00
※2/26(月)は閉場
入場無料