森アーツセンターギャラリー(六本木)【2017/11/1-2018/1/8】のドラえもん展2017を見に行きました。
ドラえもんを題材に現代アーティストたちが自由な想像力で作品を出品しています。ほとんど全部新作で、公立美術館で個展レベルの作家が大量に出品しているので非常に豪華です。
冒頭を飾るのは村上隆氏の作品。今回のラインナップからすると無難な作品です。
それよりは美少女専門作家とでもいうべきMr.の作品の方が面白く感じました。
美術史を諧謔をもって作品化する福田さん。こちらは2002年のドラえもん展での作品。「レンブラントの自画像のバックの円は何なのか?」という美術市場のナゾに「道具を取り出そうとするドラちゃんの手」という回答を示した作品です。
こちらは新作。仙人の集合絵がドラちゃんになるという高等テク。仙術=ドラちゃんの道具というのはちょっと強引?
牛革にドローイングはここ数年の鴻池さんの表現方法。同時に展示されてた雪山でドラえもんの主題歌を絶叫する動画作品の方が、作者の新しい表現への挑戦を感じます。
度々物議を醸しだす会田誠さんの作品。今回の作品も撤去ギリギリを狙ったものでしょうか?でも確かにしずかちゃんの入浴シーンのないドラえもん展なんて・・・
なぜかに気になった町田さんの作品。伝統的な日本画の手法でアニメの表現を再現しているのが面白いです。
漫画のコマをそのまま使ったドレス。後ろもお二人の作品。
「ドラえもんをオシャレに着こなす」といいつつ、露骨にネタに走ってるような・・・
後半は劇場版ドラえもんをテーマにした作品。独自解釈のしずかちゃんとリルルは仲の良い姉妹のよう。
撮影禁止の映像作品も優れたものが多かったです。特に彫刻に映像を投影した西尾康之さんの作品と、ヘタウマないつもの画風を大胆にドラえもんワールドに取り込んだしりあがり寿「劣化防止スプレー」が俊逸でした。
国民的作品でも現代アーティストにかかれば何でもありな世界に早変わり。ビギナーから玄人まで楽しめる展覧会です。ナンコレ度★★