映画「フォスター卿の建築術」を見ました。
ノーマン・フォスター氏はイギリスの建築家です。
特徴としては大規模建築の作品が多いこと、ハイテク建築が多いことです。
また映画ではその事務所も非常に大規模で、1000人以上が働いているとのことです。
作中にはフォスター氏のサイクリング、スキーなどの趣味のシーンも出てきます。
難病も克服した極めて頑強な肉体と精神の持ち主のようです。
しかしメインは建築の映像の美しさ。
オフィスビルの作品が多いだけに、内部を見れないものも多いです。
ここでは特に気になったものをピックアップしたいと思います。
ニューヨークにあるオフィスビルです。
ニューヨークにしては小さいビルです。
大きさ以外の特徴を出すためのブレースは構造的に鉄骨の量を減らすことができます。
一見地味ですが、フォスターらしいハイテクビルです。
芸術の一大拠点だけあって、このビルはアーティストの多くがコメントを寄せています。
特にリチャード・ロングはビル内に泥を使った巨大作品を設置しています。
きわめて合理的に作られているにも関わらず、多くの芸術家を惹きつけるのはそれだけではない「美しいものを作りたい」という意思があるからです。
こちらもオフィスビル。初期の作品です。
ハイテク建築は当初は芸術方面には受けず、フォスターはオフィスビル建設からキャリアを始めています。
外観だけでなく、内観も緑に溢れています。
天井は自然光を入れるようにしてあり、真ん中を吹き抜けにして解放感を演出しています。
動線の明確さも特徴です。
ハイテクさをアピールした透明感溢れる外観が特徴です。
外も中も構造をむき出しにしてテクノロジーをアピールしています。
この作品はバックミンスター・フラーとヘリコプターから見たというエピソードが語られています。
フォスターの軽やかな作品はフラーの影響を受けているようです。
オフィスビルからキャリアを始めたフォスターは巨大建築の設計に定評を産むことになります。
空港を4つも設計した建築家は極めてまれです。
特に中国は香港国際空港を設計した10年後、北京首都国際空港も任されています。
龍をイメージしたという外観が特徴です。
内観の解放感も特徴です。
これによって目的地も分かりやすく、使いやすい空港にもなっています。
天井パネルの色も中国の伝統を意識したもので、特徴の一つです。
これは建築というより土木ですが、地震国日本では絶対に見れない軽やかな橋です。
下から見ても非常にすっきりとしたデザインです。
主塔とケーブルのパターンが美しいリズムを形成しています。
構造美が特徴のフォスターにとっては究極の建築といえます。
フォスターの日本の作品はあまり面白くないので、海外に行った時が楽しみになる映画でした。★★
建築図鑑134★★プログラムの傑作「埼玉県立大学」 – 博司のナンコレ美術体験2019年6月16日 12:03 AM /
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