フジフイルム スクエアの細谷克子写真展 海の宝石「ホヤ」という世界【2021年6月4日(金)~2021年6月10日(木)】を見てきました。
色とりどりのホヤの写真に惹かれて観に行きました。
会場に写真家さん本人がいらっしゃったので色々話が聞けたのですが、この色は半透明のホヤを左右からストロボを焚いて撮影することで、周囲の色が映り込んでこのような写真が撮れるとのことでした。
つまりこれはホヤそのものの色とは言えないのですが、ホヤの知られざる世界の話は大変興味深く聞きました。
細谷さんによるとすべてのホヤは給水口と排水口を持つことが共通しており、さらにその外観的特徴によって3種類に分かれるそうです。
一つ目が前述の半透明タイプ。
2つ目が写真のほうな稲穂のようなタイプで、これは穂一つ一つが細胞分裂した別個体であり、分裂を繰り返し長く太くなっていくものです。
3つ目のタイプがいわゆる通常形で、1つ目のタイプにいろがついているものです。
全部で200種類のもホヤがいて、撮影は主に東南アジアで行ったとのことでした。
写真中央のピンクのホヤは一つ一つが幼態ですが、その下の土台(?)もホヤの死骸です。
ホヤは死期を迎えると次代に生育にいい場所を譲るのですが、中には自切して海に浮かんでいくもの(そして魚とかに食べられる)もあるとか。
写真は2cmほどの極小のホヤが多いそうです。極小ゆえに注目されないですが、不思議な造形をしたものが多く、SFの世界の異星の光景のようです。
一緒にウミウシが映っていることが多いです。
ウミウシの写真集は結構あるのに、ホヤにこれまで注目した人がいなかったのも意外です。
イチゴのようなもの一つ一つがホヤなのですが、間にある黄色いものは全部ウミウシらしいです。そう考えると結構不気味な光景のような・・・
60歳を過ぎてから水中写真を学び、ホヤに偶然出会ったという細谷さん。アマチュア写真家から10年ほどで六本木で個展を開くまでになったので夢がある話ですが、そ個に至る戦略も垣間見えて面白かったです。★★
2021年展覧会ベスト – 博司のナンコレ美術体験2022年2月2日 6:52 AM /
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