大阪市天王寺区の一心寺に行ってきました。
天王寺区なので、近くにあべのハルカスや通天閣、天王寺動物園があります。
設計は高口恭行氏。京都大学で建築を学び、自らのお寺を自分で設計してしまった人です。
お寺の建築群はどれもインパクト抜群ですが、中でも目を惹くのが一心寺仁王門。
彫刻家、神戸峰男氏の阿吽像が門を支える(?)
結構抽象化されたデザインで、西洋の彫刻のようにも見え、日本の伝統からかなり逸脱してます。
門扉に彫られた天女は秋野不矩氏の原画を同じく神戸氏がレリーフ化。
しかしやはり最もインパクトのあるのは屋根の部分。構造的に合理性を盛った形状なのでしょうが・・・
僕としてはウルトラセブンの敵性宇宙人の円盤を思い浮かべました。
スペーシーでSFチックなデザインがステキ。
しかも門の土台部分は、1階は休憩所、売店、地下はトイレとして活用されています。
機能もデザインも現代の山門です。
境内の他の建物も前衛的です。
本堂は残念ながら見ることができなかったのですが、本坊・日想堂は屋根を立体トラスで持ち上げて浮遊感を演出してます。
屋根より下はコンクリート打ちっぱなし。他では見ない木目調の型枠を使っているらしく、その荒々しい剥がし跡が安藤忠雄氏とはまた違った魅力を放っています。道路向かいからもよく見え、キャラ立ちしてます。
受付堂は2階は普通の円形の塔ですが、1階部分がなぜか総ガラスブロック。
庇までガラスブロックで作る徹底ぶり。
仁王門の1階休憩所もガラスブロックになってたし、高口氏の好きな素材なのかもしれません。コスト削減かもしれませんが・・・
開山堂。後ろは普通なのですが、玄関部分(?)の屋根が現代建築の大屋根みたいです。
本堂前の洗心。こういう設備は他の寺にもあるのですが、ずいぶん開放的なデザインです。人出を考えての合理的デザイン?
見逃しがちですが、道路向こうには三千佛堂があります。
寄進によって仏像が増えていくそうです。しかし16時までなので閉まってました。
他、映画館や喫茶店まであります。
色んな意味でお寺らしくないので一見の価値ありです。★