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建築図鑑255★★ホテル川久

 

和歌山県白浜のホテル川久に行ってきました。

バブル期に建設されたホテルで、内装、外装共に青天井の費用をかけて建設されたものです。

当初は会員制ホテルの予定でしたが、完成まもなくバブルが崩壊したため一般開放されそこそこの値段で泊まれます。

一流、二流が分かる審美眼はないですが、外観に他にないオリジナリティが感じられるのは好感が持てます。

1階部分のキンキラ空間がインパクト大。

この空間は奥のレストラン以外ほとんど機能がないのだからすごいです。

キンキラに目が行きがちですが、床のタイル、吊り階段、エレベーター、両脇に飾られた美術作品など細部まで贅を尽くした空間になっています。

2階にもダリ、横山大観ら著名芸術家の絵画がかかっています。

宴会会場の天井画はジョルジオ・チェリベルティという画家が手掛けています。

ライトアップも気合が入っています。

インゴマウラー氏デザインの照明。

不規則に組まれたワイヤーにスポットライトがランダムに取りつくという複雑なものです。

古いものだけでなく現役のアーティストも多く起用されたこだわりの空間になっています。

これらはバブル崩壊後本来の使い方をされなくなったのか、現在は川久ミュージアムとして開放されています。

多くのバブルの遺産は解体されたので、このようなものがまだ残っているのは貴重です。日本の絶頂期を体感できる空間でした。★★

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