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★建築図鑑50 開かれた大学博物館へ「東京農業大学「食と農」の博物館」

東京都世田谷区の東京農業大学「食と農」の博物館に行ってきました。

設計は隈研吾氏。木の建築家と思われがちですが、本作は都内では珍しい石の建築です。

石のルーバーは栃木県の石の美術館で実践済みの白河石を使用。ただ前作より高いルーバーなので、強度の計算はやり直しています。

石のルーバーにした狙いは正面の街路樹との連続性を持たせるためとのこと。中から見ると内外がゆるやかに区切られているような印象を受けます。ちなみに正面は街路種を挟んで団地になっています。

ただ外から見ると・・・正直そんなに馴染んでるようには見えません(笑)

むしろ隣のTSUTAYAのほうが馴染んでる気がします。

ちなみに植物園に接する面は壁に対し45度にルーバーが付いています。なぜそうなってるのかは分かりませんが・・・

博物館の正面に立つ色鮮やかな鳥は軍鶏の一種でナーレスワン大王鶏

内観は天井や仕切り板に金網が使われています。この辺りは安い素材を最大限に活用する隈氏の設計方針と一致します。

1階には東京農大の創設者である榎本武揚や、初代校長横井時敬を顕彰する資料などが展示されていますが・・・

設計者の隈研吾氏いわく、この建築の最大の目的は、大学の外周部にあり、しかも住宅に隣接した立地を生かした「開かれた博物館」です。生体展示はクリオネの他・・・

別棟の植物園では熱帯のサルなど珍しい生き物を生体展示しており、ミニ動物園と化しています。

2階への階段にある影絵も子供が遊んでいました。

2階はお酒のコーナーが有名です。

酒そのものだけでなく、酒器など酒にまつわる道具も多数展示されています。

 

また酒だけでなく、鶏の展示も異様なまでの充実ぶりです。

剥製だけでなく、鶏の豆知識も面白いです。

 

大学博物館というイメージに反して、子供の遊び場と化している異色の博物館です。その一方で異様に展示がマニアックな面もあって、わざわざ来る価値もありそうです★

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