• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

障害者アートの多様さを見る「うふっ埼玉でこんなのみつけちゃった♪」

埼玉県立近代美術館(さいたま市)の第8回埼玉県障害者アート企画展
「うふっ埼玉でこんなのみつけちゃった♪」【2017年12月6日(水)-12月10日(日) 】を見てきました。

埼玉県立近代美術館は黒川紀章氏設計。お得意の共生の思想の空間で、1階ロビーは地域の人の憩いの空間になっているようです。

東京の都美術館国立新美術館退屈な絵画展や書道展ばかりをやっているのを尻目に、埼玉県かなり積極策に転じているようです。

埼玉県では県下の福祉施設が集まって頻繁に展覧会を県内各地で行っているようです。またアール・ブリュットやアウトサイダー・アートは精神障碍者をイメージしますが、この展覧会はあらゆる障害者の作品を区別なく出品しているようです。

 

会場はいってすぐの所にズラリと並べられているのは、なお丸という人の作品。メキシコのお祭りを髣髴させる造形です。

他にも映画のポスターを独自にデザインしたコバヤシカオルさんや、

異様に細かい車両群を制作した福島尚さんなど面白い作品が色々ありましたが・・・

 

非常によくできた中学生の作品、ぐらいの印象しか持ちませんでした。やはりこれら作品を作って生活しているわけでも、切羽詰まって表現活動をしているわけでない(と思われる)ので、イマイチ鬼気迫るものがありません

むしろ東武東上線をイメージ化した森川里緒菜さんのような作品の方が面白く感じました。

あと「呪いの人形」と名づけたSYさんの作品。これの出品に踏み切り、あまつさえフライヤーのメインビジュアルに使ったことに担当者側の本気を感じます。

それほど面白い作品がたくさんあったわけではありませんが、障害者のアートに色を付けずに真正面から向き合っている姿勢には共感しました。

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