• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★この混沌こそ渋谷?「ARIGATO SAKURAGAOKA Produced by ART PHOTO TOKYO」​

場所は渋谷駅南の桜丘町。坂道を上がったところにあるビルです。

ヤマハの音楽スタジオが入居していたようで、収録室みたいなやたら狭い部屋や、ライブハウスめいた部屋もあります。

また3階以上のレイアウトはかなり特殊でそれも面白いです。

別に老朽化しているわけではないのですが、渋谷の再開発に伴って解体。

入居者が出て行って解体までのわずかな期間を用いて展覧会をやろうという企画です。

 

2階はわりかしフツーのオフィスビル。やっぱり部屋の狭さは異様ですが・・・

 

この展覧会、ポスターを見ても分かる通り、特に写真家は大物が多いです。

このうち、森山大道、荒木経惟、皆川実花、ライアン・マッギンレーらは一つの部屋に押し込められてました。

あんまり渋谷関係ないし、スルーしました。

唯一面白かったのは篠山紀信。美女1人にマネキン3体。はじめ区別がつきませんでした(;^ω^)

 

この2階は最大の展示面積を持ちますが、もっとも面白かったのはEVERYDAY HOLIDAY SQUADというアーティスト。以前六本木のギャラリーでストリートアートの個展やってたこともあり、他とは違う渋谷ならではの作品を展開。

宮下公園の工事現場にサッカー場を作るという旧作も再展示されていましたが・・・

新作は暗室っぽい演出を凝らされた室内にありました。

警備員の装備に身を包み、渋谷区内の街を疾走するというよりアクティブな作品になっていました。

傾斜が多い地域だけに狭い路地や繁華街など多様な景色があり、かなり見ごたえがあります。

オチ(?)は六本木ヒルズの屋上を疾走。

他、渋谷の街での収集品をもとにした作品も展示されていました。

道路標識と一輪車・・・最近展示されているデュシャンの影響?

レディメイド的選美眼が光ります。

 

他に面白かったのは、RIZOTという作家さん。

家電や街にあるインフラを使って作品を作ります。

作品自体はアイデアものに過ぎないのですが・・・

動画はミョーに疾走感があってカッコよかったです。

 

最後に紹介するのは屋上のなんと機械室内の展示作品。

YOSHIROTTENという作家さんの作品です。

音はHisham Akira Bharoochaという人が担当しており、コラボになっています。

機械室内全体を映像が流れます。映像は数分でループし、かなり大胆に変化を続けます。

一方音楽(?)は非常にコンテンポラリーで、幻想的な雰囲気に合っています。

 

会場は1~4階と屋上まで使っており、かなり見ごたえがあります。

割と投げっぱなしの広告もあり廃ビルに入るのに1000円と思うかもしれませんが、行けば色々と発見がありそうです。★★

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