• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築図鑑142★数寄屋の迷宮「ホテル ベニ 東三国」

大阪市のホテルベニ東三国に行ってきました。

設計は出江寛氏。

もとの建物名はホテルリバティ。もとはアルミパネルによる曲線を強調したデザインだったようです。

出江氏は数寄屋建築を得意としており、大きな建物の仕事はあまりありません。

本作は珍しい大規模建築ですが、用途がラブホテルというのは面白いです。

元のデザインが台無し!と建築評論家の先生が怒りそうですが、僕はこのデザインも結構好きです。というか元のデザインは地味すぎます。

竹山聖さんのD-HOTELといい、建築家の先生はラブホテルという商売が分かっていない気がします。竣工当初のバブルならこれでもよかったのかもしれませんが・・・

現代における数寄屋建築を目指したと思われ、細かいデザインは竣工当初のものが生かされていると思われます。

入り口のドアもこんな感じ。

エントランスの様子。一見華やかですが、ラブホらしく無人なので不気味です。

数寄屋の虚飾に満ちた部分が現代のラブホの偽りの愛とマッチするのでしょうか?

上の写真の裏側。個室ブースのような円筒の中で食事をとるスペースのようですが、機能しているのかは不明です。

ちなみにこちらが地下駐車場直結の入り口。こちらが普段使う入口のようです。

建物は東西に長く、2棟に分かれています。

この入り口も同じようなものが2つ並んでいて初心者には分かりづらい・・・

1階部分はちょっと迷宮化してて面白いです。

 

おそらく出江氏がもっとも力を入れたと思われる客室内です。

当初のデザインがどれほど残っているか不明ですが・・・

とはいえ壁のデザインは数寄屋っぽいです。

ちなみにこのベッドはやたら高さがあり、寝相が悪い人には危険かも。

他にもシンプルな中にも色々遊び心があり、結構面白いデザインでした。

風呂も豪華で大阪中心部からはやや遠いですが、費用対効果は結構いいと思います。

建築好きなら一度停まってみると面白いと思います。★

 

コメント一覧

建築図鑑220ヴァロンベール – 博司のナンコレ美術体験2021年10月10日 2:28 PM / 返信

[…] 有名建築家のホテルがラブホになった例はありますが、風俗店になったのはここぐらいなものではないでしょうか。 […]

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