2018年10月19日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築図鑑26★イタリアデザイナーVS日本の土地事情「東京デザインセンター」

今回は五反田の「東京デザインセンター」に注目してみたいと思います。

設計はイタリア人のマリオ・ベリーニ。建築家としてより、椅子などのデザイナーとして有名です。

 

敷地は五反田駅から徒歩3分ほどの電車内からも見える立地ですが、この敷地、いろいろ問題を抱えていました。まず、

➀敷地が前面道路方向に長い長方形状

これだけなら大して珍しくもないのですが・・・

(新建築より)

②道路正面に別の建物が食い込むコの字型の敷地

上の画像の凹部分は別のビルが既に建っていました。

中央のガラス張りの建物がそうで、店舗、事務所を構える上で相当マイナスでした。その上・・・(新建築より)

③急斜面上の土地

土地は道路から背後に向けて崖のような急斜面になっており、道路側の

1,2階部分はろくに店舗の入れられない状況でした。

 

このような三重苦に対して、ベリーニが出した結論は・・・

この道路から60°の角度を持つ階段でした。

階段は3階まで続きます。アイ・ストップには唐突にイタリアの彫刻家ミモ・パラディーノの馬の彫刻。

階段の上から見下ろしたところ。ヨーロッパの古い迷宮都市をヒントにしているのも知れません。

建物の裏側も相当キテレツな光景。植木鉢(?)が並んでいるのはイタリアの庭園風なのかもしれませんが、日本の植生にあっておらず、奇怪です。また階段の上にも斜面は強引に回遊式庭園にしてますが、その先の民家でぶった切られており、回遊できない(笑)せっかく建物をぶち抜いてガレリアを通しましたが、道は建物の裏には通じてないのです。

立面図で見ると、ガラス円筒のエレベーターホールや整然と並んだ植木鉢が決まってますが、実物は良くも悪くも植物に侵食されてます。

ちなみに正面は開口部に石の扉のような飾りがついていて、なかなかクール。

入居企業の案内ボードもオシャレ。やはり中層階が一番広いのでしょうか?

 

イタリア人デザイナーも日本の土地の特殊事情には敵わず、キテレツな建物が増えただけでした。とはいえ五反田駅前でちょっとした冒険気分が味わえるので、そういった意味ではおすすめです。★

 

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