羽田空港第2ビル内の千住博作品を見てきました。
羽田空港は実は隠れた観光スポットです。ショッピングや発着路を眺めながら食事、博物館、プラネタリウムと予想外にコンテンツは豊富です。
また建物も派手さはないものの極めて高い技術で無柱空間を実現しており、よく見ると面白い空間です。
そんな羽田空港の国内線第二ターミナルで千住博氏の作品が無料でまとめて見れます。
千住博氏といえば以前NHKの日曜美術館の司会も務めていました。国内線だけでなく国際線でも到着ロビーに作品があったり、実質政府御用達のアーティストと化しています。
個人美術館は軽井沢にありますが、そこまでいかなくてもここなら多彩な作品を気軽に見ることができます。
作品は第二ターミナルの1~5階に5箇所設置されています。
下から見ていきたいと思います。
1階はメインエスカレーターの左右に2枚作品が置かれています。
どちらも陰影のみで気が鬱蒼と繁っている様子を表しています。
「夜の湖畔」はエスカレーターから向かって右に展示されています。
これと反対側の左側には「朝の湖畔」があります。
色の濃淡で霧に隠れている樹木が表現されています。
近づいて見るとかなり向こうの木も描かれています。
作品はL字に折れて展示されているのですが、その部分が一番樹木が繁っています。
証明も合わせて展示環境によって作品の効果が高められています。
メインエスカレーターの上、3階辺りにタペストリー状に吊るされているのが、「風の深谷」です。
外の空の色によく合った作品ですが・・・
展望デッキの真正面からだと作品が隠れるように展示されています。
5階にひっそり置かれているのが、「MOON」
牛の体に樹木、夜空、星が描かれており、マグリット的楽しさを備えています。
が、柵に覆われているし、この作品だけ展示場所もそっけないです。
耳、鼻、角などの塗装が剥げているし、元々は別の場所に展示されていて、扱いが荒いから移動してきたのかもしれません。
最後は最上階、5階の天井に描かれた「銀河」です。
どの作品も木と空が描かれていますが、展示場所の高さと情景が同期しています。
また同じ題材でいろんな場所、大きさ、支持体に描かれているのも面白いです。
巨大さゆえに美術館では展示できない作品も多く、無料美術館としてはかなりお得です。★